持続可能な社会に向けてのコーポレートPPA

はじめに

近年、カーボンニュートラルに向けて様々な取り組みがなされております。

そんな中、コーポレートPPAが世界各地で拡大しています。

日本においては本格的なコーポレートPPAは始まっていませんが、今後、太陽光発電などのコスト低下に伴ってコーポレートPPAの事例も増えてくると予想させています。

今回は、コーポレートPPAにおける世界各国の動きもふまえて日本のコーポレートPPAについて考えていきたいと思います。


コーポレートPPAの拡大の要因

コーポレートPPAとは企業が自治体などの法人が発電事業者から自然エネルギーの電力を長期的に購入する契約となっております。

近年、注目を集めている再エネ調達方法であり、自然エネルギーの電力を必要とする企業が増えている一方で、太陽光発電や風力発電のコストが世界各国で安くなったことにより、コーポレートPPAが活発になっています。

2019年においては世界各国でおよそ1950万kWのPPAが締結されており、2年前に比べて3倍以上の規模に及びました。

世界ではなぜコーポレートPPAに限らず太陽光発電での調達が増えてきているのでしょうか。

大きく3つの要因があると考えられています。

⒈気候変動の影響

地球温暖化の影響により、持続可能な社会の実現に向けてCO2の削減や再エネ導入については周知の通りとても重要な課題となっております。

多くのCO2を排出する火力発電などに頼りすぎることは気候危機を促進させてしまいます。地球温暖化が引き起こす自然災害は工業などの操業や消費者の購買活動にも大きな打撃を与えるため、企業の事業活動の継続に大きな影響があるとされています。

⒉経済性の問題

従来のように電力会社から電力を購入しているとコストが増え続けてしまいます。

火力発電は化石燃料などの価格変動の影響も大きく、欧州においてはカーボンプライシングの制度の拡大もあり火力発電に依存した電力調達は企業へのコスト面の負担が大きくなっています。それに比べて、太陽光発電や風力発電は過去10年で大幅にコストが下がっています。世界全体では、太陽光発電が最も安い電力の供給減になっており、コーポレートPPAを結ぶことは気候変動の抑制、電力調達コストの削減を実現できるものとなっています。

⒊資金調達の方法

近年ではグループだけではなく、取引先も含めたサプライチェーン全体で対策をとっている企業も多くなっております。温暖化についての取り組みを行わない企業は、長期的な事業を継続するという観点で非常に信頼性がないとみなされてしまいます。

ESG投資など資金調達や消費者からの信頼を勝ち取るために、取り組みが最重要課題となっています。

もちろん太陽光発電における調達は、自家発電だけでは供給できる電力量も限られているので、追加性のある自然エネルギーの調達方法としてコーポレートPPAが増えてきています。


各国のコーポレートPPA

日本においてはまだ実例がないコーポレートPPAは海外では多く行われています。

海外ではどのように運用させているのでしょうか。

アメリカ

新規で締結されたコーポレートPPA世界全体で約8割はアメリカで締結されています。

アメリカのコーポレートPPAの大半は発電コストの低い風力と太陽光の電力で行われています。また、契約方法も多様化しており、企業が発電事業者と電力を直接取引する「フィジカルPPA」や卸電力市場を介在させて仮想的に電力を取引する「バーチャルPPA」などがある。ただ、小売りの自由化が行われていない州もあるため、場所によっては締結できないケースも存在している。

欧州

欧州ではオランダ、スペイン、フランス、ドイツで風力発電や太陽光発電が増えている地域でコーポレートPPAを締結することが増えています。

但し、EUの域内であっても、国によって関連する法律や制度が異なるため、同じ方式でコーポレートPPAを各国で結べない場合も存在します。

近年においては、複数の国をまたいで締結するクロスボーダーPPAを行うために各国での調整も行われている。

このようにコーポレートPPAの締結は世界各地で行われているのが現状です。

ただ、制度的な問題などで締結できないケースもあり各国調整や現制度上で問題ないような締結方法を模索しています。

今後、コーポレートPPAの発展には制度の改正や整備なども大きな課題となってくるといえるでしょう。


日本においてのコーポレートPPA

日本においては、電気事業法によって、国に登録した小売り電気事業者しか需要家に電力を販売できない制度になっております。よって小売り電気事業者を介してコーポレートPPAを行うことになります。

また、比較的簡単に実行できる方法としてはオンサイトPPAがございます。

発電事業者が企業の敷地内に自然エネルギーの発電装置を設置して、現地で発電した電力を企業に供給する仕組みとなっています。

自家発電などとの大きな違いは、初期費用などの負担がない点、企業側は発電設備の設置場所を事業者に貸し出しているだけなので、発電設備の保有者は事業者になります。

イオンでの取り組みが有名で、今後日本において電気事業法の改正が行われないのであれば、このような取り組みが増えていく傾向があるとさせています。

参考:イオン、設置費用ゼロの太陽光発電導入 数年で200店

日本経済新聞 2019年4月17日

まとめ

カーボンニュートラルに向けて、世界各国で様々な取り組みがなされています。

今回紹介したコーポレートPPAもカーボンニュートラル達成への選択肢の一つにすぎません。

今後の制度の改正や新たな技術の発展により、再エネ調達の方法も変わっていくと予想されています。世界各国の状況を鑑みても日本はまだまだ再エネ導入について、遅れている印象を受けます。今後のスタンダートはアメリカや欧州であり、日本も制度の改正なども含めてより再エネを導入しやすい方法を模索していく必要があるといえるのではないでしょうか。

弊社、ホールエナジーでは、小売りからの再エネ電力調達や太陽光発電の導入などにも柔軟にご対応することが可能です。

もちろん、お客様の状況に合わせて取り組みの方法も多種多様ではございますので、まずはお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。