容量市場とは?導入背景や仕組みについて解説!

はじめに

2000年3月、最初の電力小売り自由化が始まり「特別高圧」の大規模工場やデパートなどで電力会社を自由に選ぶことができるようになりました。

そして2016年に電力小売り全面自由化がスタートとなり電力供給を受けるすべての需要家が電気の契約先やメニューを自由に選ぶことができるようになりました。

電力小売り全面自由化以降、多くの小売電気事業者が参入し、電力分野のビジネスは活発化していきましたがその一方で、新たな課題も生まれているのも事実です。

そこで、2020年から新たに将来の供給力(kw)を取引する

「容量市場」という市場が設立されました

今回はこの「容量市場」の事について触れていきたいと思います。

「容量市場」とは

容量市場とは、これまで卸電力市場で取引されている「電力量(kwh)」ではなく

将来における日本全体の「供給力(kw)」を確保するために設立された市場です。

供給力は「発電することができる能力」と言い換えることができます。

「容量市場」 導入の背景

電力小売り全面自由化により、小売電力事業者間での競争は活性化し電気料金の抑制につながっております。

また、太陽光・風力発電といった再生可能エネルギーの拡大によって、電力会社を取りまく環境は大きく変化しました。

しかし、再生可能エネルギー(太陽光・風力発電など)は季節や天候などによって発電量が変動するという課題があり、火力発電などで需要と供給のバランスを調整しており、安定的な供給を維持するためには多様な電源(発電所)を持ち、供給力を安定化させることは引き続き必要です。

こうした発電所の設備を維持する為には、様々なコストがかかります。

もちろん施設は老朽化していきますので、電源の新規建設や改修を行う必要がありますが、電力市場の価格が低下傾向にあると、卸電力取引市場などでの電力(kwh)の取引や相対契約では、新規開設や改修にかかったコストを将来的に回収できるという予測が立てづらくなるため、新たな投資が進まなくなってしまうのです。

出典:くわしく知りたい!4年後の未来の電力を取引する「容量市場」※1 

こうした出力を調整できる発電所の設備が維持できなければ電力需要に見合った供給ができなくなる恐れがあり、需給がひっ迫したときに電力が不足により電気料金の上昇に繋がったり、最悪の場合、停電する恐れもあります。

出典:容量市場かいせつスペシャルサイト ※2

そこで、あらかじめ必要な供給力を確実に確保することで電気の市場価格の安定化を実現し、電気を使用する需要家へメリットをもたらすことを目指し容量市場は設立されました。

容量市場の仕組み

では、「容量市場」では具体的にどのような仕組みになっているか説明します。

価格はどうやって決まるの?

容量市場で取引されるのは「4年後の電力供給力」です。

発電事業者が売り手、小売事業者が買い手となり、「電力広域的運営推進機関(広域機関)」を介して取引が行われる形となります。

まず、「電力広域的運営推進機関(広域機関)」が、4年後使われる見込みの電気の最大量(最大需要)を試算し、この量を満たすために必要な「4年後の電力の供給力」を算定します。

そしてこの調達量をまかなうために、「4年後に供給が可能な状態にできる電源」を募集しオークション方式で価格が安い順に落札される。という仕組みで価格が決定することとなるのです。

落札された発電事業者は電力を供給可能な状態とするよう、発電所のメンテナンスを行い、広域機関からこの対価を受け取り、小売電気事業者は将来必要となる電源の容量を確実に確保する対価として、広域機関に「容量拠出金」を支払うこととなります。

「容量市場」導入による影響は

容量市場をつくるメリットのひとつは、前述したとおり、
発電量が気候や季節によって不安定な、再生可能エネルギーの調整力として必要な電源を確保しておくことで、将来的な再生可能エネルギー電源の主力化に役立てることにあります。

また、発電所を持たない小売電気事業者にとっては電力の調達をしやすくなることにより、事業を安定化させられることもメリットとなってくるでしょう。

そして、小売電気事業者の事業運営が安定化することにより、 電気料金も安定化し電気を使う国民負担の軽減にもつながっていくことも予想されます。

しかしながら、2020年7月に最初のオークションが実施され好評された落札価格は予想外の高騰となり、業界は騒然。

特に負担の大きい発電施設をもたない再エネ新電力各社は危機感を募らせています。

大規模発電所を持つ電力事業者は、小売部門で負担はあるものの発電部門での収入もあります。一方、大規模発電所を持たない電力事業者は、「容量拠出金」を支払う一方となってしまうのです。

このようなことから発電所を持つ大手電力会社と発電所を持たない電力会社との間で格差が拡大してしまう恐れがあることは懸念点となってくるでしょう。

まとめ

今回は「容量市場」について触れていきました。
まだまだ始まったばかりの制度であり、課題が多く残っているのも事実です。

現在2025年度の需要に対するオークションの準備が進められており、今後の動向について注目する必要がありそうですね。

弊社、ホールエナジーでは、コスト削減を実現するための電力オークションはもちろん
再エネ導入の実現に向けて、柔軟に対応することが可能です。

もちろん、お客様の状況に合わせて取り組みも多種多様ではございますので
まずはお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

参考資料

※1 くわしく知りたい!4年後の未来の電力を取引する「容量市場」 資源エネルギー庁
※2 容量市場かいせつスペシャルサイト 電力広域的推進運営機関