再エネの導入に向けた環境省の取り組み方針について

はじめに

7月6日に環境省が新たな取り組み方針を打ち出しました。「再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、
再生可能エネルギーに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促す。」
という方針のもと、再エネの促進が行われます。※1

今回は環境省の資料から、太陽光発電、陸上風力発電、地熱発電、バイオマス発電のこれからについてお話していきます。※2

太陽光発電

今回新たに施策強化の考え方が公表されました。主に以下の3つに触れています。

  • 公共部門の率先実行
  • 民間企業における自家消費型太陽光の推進
  • 地域共生型太陽光発電

公共部門の率先実行

まずは“公”が率先して取り組むという方針が明確に示されています。

■国

新築の庁舎やその他の政府の新設建築物には、最大限太陽光発電を設置すること。また、既存の国保有の建築物や土地についても、性質上適さない場合を除き、最大限導入を進めていく方向で検討中です。 また、環境省は、「公的機関のための再エネ調達実践ガイド」の整備などを行い、各省や地方公共団体が取り組みやすい環境を整えています。

■地方公共団体

再エネに関するポテンシャル、目標、導入実績など、再エネに関する各地方公共団体の取組の見える化と各地方公共団体への情報提供を進める方針です。

国だけが取り組んでも限界があります。太陽光発電導入を加速させるためにも、地方公共団体の動きをより後押ししていくと、説明されています。

公共部門の具体的な数字としては、2030年度までに国・地方公共団体が保有する設置可能な建築物屋根等の約50%に太陽光発電を導入することを目指し、6.0GWの導入を見込みます。

民間企業における自家消費型太陽光の推進

PPA事業モデルの確立等のための支援実施等、 自律的な普及を進めるために必要な後押しをする施策に取り組むことが大きな課題とされています。

現状、PPAは、ビジネスモデルが十分に確立されていない、知られていないなど、実態面での課題を抱えており、標準契約書や自家消費ガイドブックの整備などが必要とされています。

オンサイトPPAやコーポレートPPA等のニーズも高まってきており、これから益々太陽光発電の注目が高まりそうです。なお、民間企業における自家消費型太陽光発電の導入を促進し、 2030年度までに少なくとも 10GWの導入を見込んでいます。

関連記事:再エネ調達方法⑤ コーポレートPPA(バーチャルPPA)

地域共生型太陽光発電の推進

地域脱炭素ロードマップを踏まえた地方公共団体向け支援などに取り組むとされています。※3

具体的な施策としては、ゼロカーボンシティ再エネ強化支援パッケージ(R3予算204億円)により、目標設定、計画策定、地域における合意形成、地域新電力の設立運営、自立分散型エネルギー導入等を支援すること等があります。

2030年度までに約1,000の市町村が公有地や脱炭素促進区域等において導入に取り組むことにより、地域と共生する太陽光発電を4.1GW導入することを見込んでいます。

ここまで、太陽光発電に関する取り組みを見てきましたが、数字もすごく具体的で、本腰を入れていることが分かると思います。

陸上風力発電

2021~22年度に陸上風力発電に係るゾーニング事業を5自治体で実施し、関係施策とも連携しながら 改正温対法を効果的に運用することにより、0.6GWの導入を見込んでいます。

また、これまで、法アセス対象の風力発電のリードタイムは、環境アセスメント手続に要する期間を見込んで、FIT認定から8年間とされていました。※4

ですが、実績を踏まえて、リードタイムは6年と見込むことが適切だと判断されました。

これにより、リードタイムの短縮化を実現していきます。

なお、風力発電に係る環境アセスメント迅速化の効果(実績ベースで平均約2年)を、小委で示された政策強化ケースに織り込むことにより、1.2GWの追加容量を見込むことが可能です。

地熱発電

環境省として地熱開発プロジェクトを加速化させるため、地熱加速化プランを打ち出したところです。

地熱発電を加速させる上で、足かせになっていた自然公園法や温泉法の運用見直し等を図る方針です。

このプランを行うことで、10 年以上の地熱開発までのリードタイムを2年程度短縮し、最短8年 まで短くするとともに、2030 年までに全国の地熱発電施設数(自然 公園区域外を含む)を現在の約60 施設から倍増させることを目指します。

バイオマス発電(廃棄物分野)

バイオマス発電のうち、廃棄物分野については進捗の遅れを指摘されており、更新ペースの加速が必要だと言われています。

さらに、循環型社会形成推進交付金等の要件の見直しや、廃棄物エネルギーの有効活用を進める マルチベネフィット達成促進事業等を利用することで、FIT案件以外で0.6~0.7GW相当の導入を見込んでいます。

廃棄物エネルギーの有効活用によるマルチベネフィット 達成促進事業とは?

廃棄物エネルギーを有効活用し社会全体での脱炭素化に資する事業のうち、地元自治体と災害廃棄物受入等に関する協定を結ぶことで地域のレジリエンスの向上に貢献し、かつ、地域内での資源・エネルギーの循環利用による地域の活性化や 地域外への資金流出防止等に資する以下の事業を支援するというもの。

①廃熱を高効率で熱回収する設備(高熱量の廃棄物の受入量増加に係る設備を含む)の設置・改良(熱や電気を施設外でも確実に利用すること)

②廃棄物から燃料を製造する設備(製造した燃料が確実に使用されること)及び廃棄物燃料を受け入れる際に必要な設備の設置・改良

まとめ

今回は、再エネのさらなる導入に向けた環境省の取り組み方針について、お話してきました。
具体的な数字が組み込まれており、日本全体として、危機感を持って取り組んでいくということが見えてきます。

また、既存の手続きを簡素化したり、リードタイムを短くするような動きも活発です。
今後再エネの動きはさらに加速すると思われます。アンテナを高く張っておくことが必要になりそうです。

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参考記事

※1:経済財政運営と改革の基本方針2021 2021年6月18日 閣議決定

※2:再エネの更なる導入に向けた 環境省の取組方針 2021年7月6日 環境省

※3:地域脱炭素ロードマップ 2021年4月20日 国・地方脱炭素実現会議

※4:環境省 環境影響評価情報支援ネットワーク  環境影響評価情報支援ネットワーク