福島復興の現状から見る、再生可能エネルギー政策の所在

はじめに

近年でエネルギーのことを取り扱うと、カーボンニュートラルが話題になりますが、
私たちが忘れてはいけないことがあります。

それは福島第一原子力発電所の事故です。

私たちがエネルギー施策に対し、向き合うきっかけになった出来事とも言えます。
今回は、福島の現状をお伝えしながら、第6次エネルギー基本計画(※1)の内容に触れていきます。

東京電力福島第一原子力発電所事故後10年の歩みのポイント

2021年3月時点で2.2万人の被災者が、避難対象となっています。
離れて暮らしていると分からないこともありますが、10年経った今も前の生活に戻れない方がいるのです。

世界にも前例のない困難な事業と言われる福島第一原発の廃炉。
国が前面に立ち、2041年から2051年の廃止措置完了を目標に動いています。
これまでの日本は、エネルギー自給率が低いことから目を背け、原子力発電や海外からの輸入による火力発電を中心に電気を作ってきました。その代償は大きく、悲惨な事態を防ぐことはできませんでした。

この反省を忘れずに私たちはエネルギー問題に向き合っていく必要があります。

福島新エネ社会構想(※2)の実現に向けては、再生可能エネルギーと水素を二本柱とし、更なる導入拡大に加え、社会実装への展開に取り組んでいきます。再エネは少しずつ増えてきましたが、水素は実用化に向けてまだまだ課題が残ります。

国をあげて辛抱強く取り組んでいく必要があります。

参考記事

これからの再エネ時代を担う「水素エネルギー」とは? | 株式会社ホールエナジー (whole-energy.co.jp)(弊社ブログ)

なお、日本としては、2050年カーボンニュートラルや2030年の新たな削減目標の実現を目指すに際し、原子力については安全を最優先し、再生可能エネルギーの拡大を図る中で、可能な限り原発依存度を低減する。
としています。

2030年の電源構成目標は、

  • 火力発電が41%(LNG20%、石炭19%、石油など2%)
  • 再生可能エネルギーが36~38%、原発は20~22%
  • 水素やアンモニア発電は1%

を見込んでいます。

再エネが36~38%という高い目標ではありますが、それと同時に20~22%は原子力に頼らないといけない現実もあります。日本の消費電力量を見ると、今すぐに原子力をゼロにすることは難しいです。ですが、徐々に減らしていくという強い意志は必要だと言えそうです。

原子力発電、化石燃料による火力発電の割合を減らすためには、再エネを増やすことが重要なのです。

2030年に向けた政策対応のポイント 【再生可能エネルギー】

S+3E(※3)を大前提に、
再エネの主力電源化を徹底し、再エネに最優先の原則で取り組み、国民負担の抑制と地域との 共生を図りながら最大限の導入を促す。
としています。

※S+3Eとは、安全+安定供給、経済性、環境の頭文字をとったものです。

具体的な取組

 地域と共生する形での適地確保

改正温対法に基づく再エネ促進区域の設定(ポジティブゾーニング)による太陽光・陸上風力の導入拡大、再エネ海域利用法に基づく洋上風力の案件形成加速などに取り組む。

 事業規律の強化

太陽光発電に特化した技術基準の着実な執行、小型電源の事故報告の強化等による安全対策強化、地域共生を円滑にするための条例策定の支援などに取り組む。

 コスト低減・市場への統合

FIT・FIP制度における入札制度の活用や中長期的な価格目標の設定、発電事業者が市場で自ら売電し市場連動のプレミアムを受け取るFIP制度(※4)により再エネの市場(※5)への統合に取り組む。

 系統制約の克服

連系線等の基幹系統をマスタープランにより「プッシュ型」で増強するとともに、ノンファーム型接続をローカル系統まで拡大。再エネが石炭火力等より優先的に基幹系統を利用できるように、系統利用ルールの見直しなどに取り組む。

 規制の合理化

風力発電の導入円滑化に向けアセスの適正化、地熱の導入拡大に向け自然公園法・温泉法・森林法の規制の運用の見直しなどに取り組む

技術開発の推進

建物の壁面、強度の弱い屋根にも設置可能な次世代太陽電池の研究開発・社会実装を加速、浮体式の 要素技術開発を加速、超臨界地熱資源の活用に向けた大深度掘削技術の開発などに取り組む。

上記が資源エネルギー庁が掲げている主な取り組みです。
少し難しいですね。

では、電気を使う需要家側が出来ることはなにがあるでしょうか。
ひとつは3番目に書いているFIP制度や新再エネ市場の開設などが身近になってきそうです。

上記の取り組みが進むことで、より再エネの価格が安くなったり、環境価値へアクセスしやすくなったりすることが期待されています。

特に日本の環境価値証書は海外と比べて非常に高いです。
より再エネを普及させるためにも、新再エネ市場への注目が集まっています。
また、電力の需給状況にあわせて、買取価格が変化するFIP制度も再エネを普及させるための制度として期待されています。

それでも再エネの電気を調達するにはどうしたらよいか分かりづらいという声も頂戴します。
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まとめ

今回は、福島第一原子力発電所の話も交えながら、エネルギー施策について考えてきました。
繰り返しになりますが、私たちにできることは、少しでも節電をすること、そして、エネルギーへの関心を高めていくことではないでしょうか。

例えば、自家消費をするには、発電設備の施工が必要です。当然時間を要します。
2030年に近づけば近づくほど、沢山の方の導入が殺到することも予想されます。
2030年が近づいて、慌てて再エネへの取り組みを行うのではなく、今から少しずつ取り組みを始めてみませんか?

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参考

※1:第6次エネルギー基本計画 2021年7月21日 資源エネルギー庁
※2:福島新エネ社会構想について 資源エネルギー庁
※3:「S+3E」の観点|なるほど!日本のエネルギー〜エネルギーミックスを考える〜 | 電気事業連合会
※4:FIP制度の詳細設計とアグリゲーションビジネスの更なる活性化 2020年8月31日 資源エネルギー庁
※5:非化石価値取引市場について 2021年3月1日 資源エネルギー庁