脱炭素社会を生き抜くためのESG投資について

はじめに

日本は、歴史的に振り返ってみても、エネルギー資源に恵まれていない状況の中でも経済成長を続けてきました。そんな中、菅内閣発足後、日本は2050年までにカーボンニュートラルを達成するという大きな転換期を迎えています。

そして、民間企業も脱炭素化という大きな波の中で生産活動自体も変化していかざる得ない状況に追われています。投資という考え方にもどのようなものに価値を置くのかという点でとても重要な局面にあるといえます。

今回は、そんなESG投資などの考え方を再度整理したうえで、

日本が置かれている現状について考えていきたいと思います。

ESG投資の背景

基本的に金融機関や投資家が投融資を行う際は、ご存じのとおり収益性や改修可能性など様々な観点を考慮・評価して判断をしています。

一方、近年脱炭素化の動きが加速する中でその評価軸の一つとして、気候変動・脱炭素化の動きが重視される事が一般的になってきました。

ESG投資

環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)、これら3つの観点を重視する企業に投資を行う長期の資産運用に適した投資方法。

参考記事:今更聞けない?カーボンニュートラルについてとメリット

このESG投資は近年非常に拡大しており、
世界全体のESG投資資産保有残高は2016年から2018年の間で1.3倍に増加しています。

ESG投資の規模拡大の背景には、気候変動リスクへの注目が高まったことが挙げられます。

国連防災機関では、この20年の事前災害経済損失額の2兆9808億ドルうち気候変動による経済損失額は2兆2245億ドル(全体の77%)と推測されています。

その前の20年と比べても、気候変動関連経済損失額の1.5倍になっているとの報告もあるため、金融機関や投資家にとって、企業による気候変動リスクへの対応は非常に重要度の高いトピックスといえるでしょう。

脱炭素化を促す投資とは

環境への取り組みなどを先行している欧州では、ESG投資の投資戦略としては、投資家が設定した基準を満たさない企業を一律に投資対象から外すネガティブ・スクリーニングの割合が高くあります。

日本においても、大手金融機関や損害保険会社が、新設の石炭火力発電所に対する投融資を原則行わないとした上で、環境配慮技術が導入された案件については、別途考慮するなどの投融資方針の表明が行われています。

しかし、ネガティブ・スクリーニングだけでは、投資対象から外した企業に対し、別の金融機関から資金が供給されることもあるため、結果的にCO2削減につながらないといった考えもあります。

よって、アメリカなどを中心に拡大しているのがエンゲージメントやインテグレーションといった手法です。

エンゲージメント

投資家が投資先企業とCO2削減を事業の中でどのように実現するかなどを建設的に対話し、投資先企業に行動を促す方法

インテグレーション

投資判断に当たって、財務情報に加えて、環境や社会問題への対応などに関する取り組みを非財務情報として組み入れ、総合的に企業を評価する方法

インテグレーションにおいては、比較的取り組みやすい手法として、アメリカのみならず日本においても拡大しています。

ESG投資を一時的なブームにするのではなく、脱炭素化に向けた資金が将来にわたって安定的に供給されることは、カーボンニュートラル達成への一番の近道といえるでしょう。

国際的な日本の立ち位置とは

金融機関や投資家は、脱炭素化に向けた取り組みを進めて、エンゲージメントなどを通じて、企業に対して気候変動リスクへの対応を求めています。

その中で、IT企業が先導し、製造業なども追随する形で企業の脱炭素化の取り組みが近年加速しています。

また、日本企業も脱炭素化に積極的に取り組んでいます。

気候変動関連の情報開示を行う枠組みであるTCFDの賛同機関数は日本が世界で第1位、脱炭素化に向けた中長期の目標設定を行うSBTの認定企業数はアメリカに次ぐ第2位、事業活動に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指すRE100においてもアメリカに次ぐ第2位となっています。

このことからも世界的にみても、日本の企業の取り組みに対するインパクトは大きく、再エネ導入が欧州などに比べて比較的遅れている日本においては、このようなデータからも脱炭素社会に向けて動き大きくなっていくといえるのではないでしょうか。

まとめ

今回見てきたように地球温暖化への対応によって、従来の投資の考え方などにも変化が起こっています。

その変化に対応するためにも、各企業が一度自身の取り組みを見つめ直し、新たな取り組みとして再エネ導入へ動いています。

そして、TCFDやRE100の加盟数からも読み取れる通り、その取り組みは新たな取り組みではなく、もはや世界基準のスタンダートとして受け入れられています。

再エネ導入を制約やコストとして捉えるのでは、今後の日本経済の発展は見込めないでしょう。

この脱炭素化に向けた動きを成長の機会と捉え、次なる大きな成長につなげていけるような経済と環境の好循環を作っていくことが重要なのではないでしょうか。

弊社、ホールエナジーでは、ESG投資にむけたお取り組みとして、再エネ導入に向けた情報共有、小売りからの再エネ電力調達や太陽光発電の導入などにも柔軟にご対応することが可能です。

もちろん、お客様の状況に合わせて取り組みの方法も多種多様になりますので、
まずはお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

参考

令和2年度エネルギーに関する年次報告 (エネルギー白書2021)PDF版

資源エネルギー庁