温対法からみるカーボンニュートラルとは

はじめに

日本は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという
大きな転換期を迎えています。

地球温暖化が地球全体の環境に深刻な影響を及ぼすものであり、
気候に対して人為的干渉を及ぼすことない水準で大気中の温室効果ガスの
濃度を安定化させ、地球温暖化を防止することが人類共通の課題となっています。

その中で地球温暖化対策の推進に関する法律、所謂、温対法の存在は、
非常に影響力の大きいものになっています。

今回は、温対法という観点から、
今後の日本の動きについて考えていきたいと思います。

温対法について

地球温暖化に伴う気候変動に対する対策のため、
過去様々な会議や協定などが締結されています。

国際的には、気候変動枠組み条約が1992年に策定され、
1997年の気候変動枠組み条約第3回締約国会議においては京都議定書が策定されています。

近年、取り組みとしてもよく耳にするSDGs(持続可能な開発目標)の名のもとに
世界的に団結しカーボンニュートラルに向けた具体的な取り組みが多くなってきています。

また、日本においては、1993年に気候変動枠組み条約を締結し、
環境基本計画の基本理念の一つに国際的協調による地球環境保全の積極的推進を掲げ、
気候変動対策への取り組みを行ってきました。

温対法は、1998年に成立し、その後改正を繰り返しています。

この法律は、地球温暖化対策計画の策定や温室効果ガスの
排出の抑制などを促進することで、地球温暖化対策の推進を図り、
現在および招待の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに
人類の福祉に貢献することを目的としています。

地球温暖化対策として、
温室効果ガスの排出の抑制や吸収作用の保全・強化、
国際的に協力して地球温暖化の防止を図るための施策も指しています。

また、温暖化対策に係る取り組みを定めたものとなっており、
国、地方公共団体、事業者、国民それぞれの責務が定められています。
具体的には、政府や地方公共団体による実行計画の策定、
温室効果ガス排出算定・報告・公表制度などが定められており、
企業のカーボンニュートラルへの取り組みの基準にもなっています。

温室効果ガス算定排出量の報告

温対法の2005年改正により、
温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度が導入されました。

温室効果ガス排出量算定・報告・公表制度は、
温室効果ガスの排出者自らが排出量を算定することにより、
自らの排出実態を認識し、自主的取り組みの基盤を確保することができます。


排出情報が可視化することにより、
国民・事業者全般の自主的取り組みを促進することに大きな影響をもたらしました。

実際の報告のフローは、下記のようなものになっています。

特定の排出者が事業所管大臣から環境大臣、経済産業大臣への通知、
排出情報などを、事業者別、業種別、都道府県別に集計されて公表されます。

国民はこの情報を閲覧することが可能なため、
各界各層の排出抑制に向けた気運の醸成や理解の増進も図ることができるといえるでしょう。

またこの算定・報告・公表制度の対象者については、全ての温室効果ガスが対象となり、
多量に温室効果ガスを排出する事業者(エネルギー使用量やCO2排出量などの基準あり)は、
事業内容に関わらず、対象となります。

対象者となった事業者には、報告がなかったり、虚偽の報告をした場合には、
過料の罰則が発生し、強制力があるものとなっています。

法改正に伴うポイント

温対法は、今年に7回目となる改正が行われています。

今回の改正内容については、
2020年秋に宣言された2050年までに温室効果ガスの排出を
全体としてゼロにする2050年カーボンニュートラルを基本理念としており、
近年の脱炭素に向けた内容が色濃く反映されています。

この法改正の背景には、
カーボンニュートラルを目指す自治体やESG投資の進展に伴い
脱炭素経営に取り組む企業が増加していることや
脱炭素の取り組みがサプライチェーンを通じ、
地域の企業に波及していることが大きく起因しています。

具体的にどのような改正の内容になっているのでしょうか。

【大きな変更ポイント】

・長期的な方向性を法律に位置付けたことで、脱炭素に向けた取り組みや投資を促進

今回、パリ協定の目標や2050年カーボンニュートラル宣言が
基本理念として法に明記されました。
これにより、自治体や事業者もより確信をもって
地球温暖化対策に取り組めるようになりました。

・地方創生につながる再エネ導入の促進

地域の再エネを活用した脱炭素化を目指すための
再エネ活用事業の計画・認定制度が創設されました。

地域課題の解決に貢献する再エネ活用事業について、
自治体が積極的に再エネ活用事業に関与することで、
地域内での円滑な合意形成が進むと考えられています。

・企業の排出情報のオープンデータ化

企業の温室効果ガス排出量情報の報告を
デジタル化することで利便性向上を図ります。

これらの他にも、開示請求を不要とすることや公表までの期間を
以前の2年から1年未満にする形に変更になりました。
これにより、企業の排出情報が広く活用されるようになる基盤が整い、
ESG投資もより一層活発なっていきます。

このように今回の温対法の改正により、
各自治体の動きの活発化し国民の関心も高まります。

投資機会も今後変化していくと予想されるので、
企業も脱炭素へのとりかかる一つのきっかけになるのではないでしょうか。

まとめ

今回ご紹介した温対法の改正からも分かる通り、脱炭素化に向けて、
目まぐるしく変化する状況の中で企業の行う取り組み自体も非常に重要です。

温対法の報告や情報開示一つとっても取り組みの方法は多種多様です。

もちろん、証書などを組み合わせた電力会社からの電力調達、
太陽光発電など生の再エネ調達から最新のバーチャルPPAまで、
各企業の現状を踏まえて最適な方法を考える必要があります。

弊社、ホールエナジーでは、
再エネ導入に向けた情報提供、小売りからの再エネ電力調達や
太陽光発電の導入などにも柔軟にご対応することが可能です。

もちろん、お客様の状況に合わせて取り組みの方法も多種多様ではございますので、
まずはお気軽にお問い合わせ頂ければ幸いです。

参考資料

温室効果ガス排出量 算定・報告・公表制度:環境省