環境価値は、資産?費用?

ごあいさつ


今回のスタッフレポートを担当させていただきます。
ジャック・マー氏が箱根好きということと、
福山雅治氏の結婚を今日知った、
ホールエナジーの野田です。

ホールエナジーでは、
2018年からお客さまが購買する電気の再エネ化のお手伝いをしています。
当初は、再エネメニューを提供している小売電力会社も多くはなく、
電力会社さんには個別にスキームを作っていただいたり、
条件交渉や内容確認にも多くのやり取りが必要でした。

SDGsの認知と共に、環境価値の高い電力購買ニーズも増え、
再エネメニューを扱う電力会社も多くなってまいりました。
そこへ、菅首相の「2050年カーボンニュートラル」で急速にニーズが拡大し、
再エネ調達のお問い合わせを多くいただいております。

環境価値の扱い


ところで、
小売電力会社から調達する「再エネメニュー」ですが、
環境価値を付加する事で、コストがあがりますよね?
消費電力の価格に含まれている事が多いのですが、
環境価値って、電気代と同じ考え方でいいのでしょうか?
環境価値は、再エネへの投資と考えられるのではないか?
とあるお客様からご相談を受けました。

エネ庁の資料によると、
小売電力会社が非化石証書を調達する場合の税務上の取り扱いは、
取得した時点では流動資産、販売したときに費用化するのが一般的
と書かれています。

非化石証書の取得時の会計上の扱い
・非化石証書を取得した小売電気事業者は、当該取得分の電気を実質再エネ又はゼロエミ電気として表示(環境表示価値)することが認められている点に鑑みれば、非化石証書の取得は、いわば「電気」という商品の販売に当たって、「再エネ(ゼロエミッション)」という価値を付加するものと解することが可能。
・こうした経済実態を踏まえれば、非化石証書の取得時は、その取得価額をもって資産計上(流動資産)することが一般的と考えられる。
非化石証書の償却(費用処理、損金経理)について
・上記の整理を踏まえれば、購入された非化石証書は、販売する電気に「再エネ(ゼロエミッション)」という価値を付加し、電気と一体的に販売する(販売電力量≧証書の活用量)ものと解することが一般的。
・このため、取得時に資産として計上された非化石証書は、電気販売と同時に、一体的に活用した分を費用化することが一般的と考えられる。(当該費用化分は、損金性が認められるものと解される。)

非化石証書の取引に係る、会計・財務上の取り扱い  平成30年3月23日 資源エネルギー庁

では、電力需要家側の企業が排出クレジットを購入する場合はどうでしょう。

会計基準委員会の資料によると、
購入時は無形固定資産、自社のCO2排出量削減に使用したときに費用化する
そうです。

将来の自社使用を見込んで排出クレジットを取得する場合の会計処理([付録 2]参照)
(1) 他者から購入する場合
将来の自社使用を見込んで排出クレジットを他者から購入する場合9、「無形固定資
産」又は「投資その他の資産」の購入として会計処理を行う。したがって、将来の一定時点で排出クレジットを購入することとした契約を締結した段階では、取引を認識しない。
また、取得した排出クレジットは、時間の経過による減価がないこと、及び陳腐化
がないと考えられることから、減価償却は行わないが、「固定資産の減損に係る会計基準」の対象となる。その適用に際しては、第三者への売却可能性に基づく財産的価値を有していることに着目して資産計上されているため、他の資産とのグルーピングは適当でないと考えられる(企業会計基準適用指針第 6 号「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」第 8 項)。
資産として計上された排出クレジットは、自社の排出量削減に充てられたときに、
これを費用10として計上する11。具体的には、排出クレジットを国別登録簿(割当量口座簿)の政府保有口座へ償却を目的として移転した時点12において費用とする。また、実際に政府保有口座に移転していなくとも移転することが確実と見込まれる場合や、第三者へ売却する可能性がないと見込まれる場合には費用とすることが適当である。

参考:排出量取引の会計処理の当面の取り扱い   最終改定:平成21年6月  企業会計基準委員会


購入した状態では資産、使用(償却)したタイミングで費用となる。
というのが、共通していますね。

小売電力会社の再エネメニューは、非化石証書やJクレジットを用いて
環境価値を付加していますので、考え方としては同様なのだと思いますが、
企業がクレジットを購入するというプロセスがないため、
電力消費と同時に費用として計上するという事が多いようです。

ちなみに、購入したクレジットの使用後の仕分け項目につきましては、
販管費が一般的ですが、環境価値をマーケティングやCSRの目的で利用する場合は、
広告宣伝費として計上する事もあるようです。

さいごに


今後も、様々な再エネ調達の方法が出てくると思いますが、
氾濫する情報を整理されたいときは、是非ホールエナジーへお問い合わせください。


ホールエナジーでは、小売電力会社の再エネメニューを最適なコストで調達する支援を行っております。