脱炭素に向けた国際的な議論や取り組み

2021.08.20
SDGsカーボンニュートラル再生可能エネルギー

はじめに

日本は、2050年までにカーボンニュートラルを達成するという大きな転換期を迎えています。
日々のニュースでも環境問題を取り扱う話題が多く存在しています。

世界的にも脱炭素化をリードしなければならない立場に置かれている日本においても、環境問題に対する取り組みや議論が多くなされています。

今回は、日本の具体的な取り組みについて考えてみたいと思います。※1

アジアにおける日本の立ち位置

近年、地球温暖化への対応やエネルギー源の多様化により、世界のエネルギーを巡る課題が拡大、深刻化してきています。

気候変動問題では、2020年よりパリ協定が本格的に実施となり、2050年カーボンニュートラルを表明する国と地域は120を超え、各国の取り組みが加速している状況です。

世界のエネルギー需要がアジアにシフトしていることもあり、アジアにおける日本の立ち位置や取り組みはカーボンニュートラルを先導していく立場として、非常に注目度が増しているトピックスとなっています。

ASEAN地域においては、ビジネス主導のエネルギー転換と低炭素技術の普及による経済と環境の好循環を促進するために、官民イニシアチブCEFIA(Cleaner Energy Future Initiative)の立ち上げも行っています。現在まで計2回の官民フォーラムを開催しており、低炭素技術・制度・ファイナンスを一体としてプロジェクトを発展させることでビジネス環境を整備することに注力しています。

今後、各国政府だけではなく、研究機関、大学、企業、国際機関や金融機関などとの連携をより促進させていくと予想されています。

日本における国際的な議論・取り組み

カーボンニュートラル達成において、世界的にみても重要な立ち位置にいる日本では、環境と成長の好循環の実現に向けた国際的な議論や取り組みが多く行われております。

東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク(2020年10月) ※2

経済産業省によってビヨンドゼロ(世界全体のカーボンニュートラルとストックベースでのCO2削減)を可能とする革新的技術の確立や社会実装に向けて開催しました。

また、個別の挑戦課題と社会実現の道筋や手法を提示することを目指し、初めて関連の国際会議であるICEF、RD20、TCFDサミット、LNG産消会議、カーボンリサイクル産学官国際会議、水素閣僚会議も連続的に開催しました。

この東京ビヨンド・ゼロ・ウィークは、オンラインで開催したこともあり、世界約50カ国から300名が講演を行い、聴衆数は前年の各会議の参加者の約3倍となる1万名となりました。

それぞれの会合において、環境と成長の好循環の具体的道筋などを世界共有の価値として提示する一方で、日本から世界へのイノベーションの発信、世界から日本へのインプットという相互作用を発展させていく場として菅総理や梶山経済産業大臣をはじめ、世界各国政府閣僚、国際機関、各国研究機関、産業界からの参加者の講演や議論などが行われております。

今年の10月も昨年に引き続き開催予定となっており、世界の脱炭素化に向けた議論などに注目が集まっています。

TCFDサミット

東京ビヨンド・ゼロ・ウィークの期間に行われたTCFDサミットは脱炭素に取り組んでいる企業にとって、興味があるトピックスだったのではないでしょうか。

TCFDサミットでは、気候変動対策に積極的に取り組む企業に対する円滑なESG資金の供給を促すため、企業による気候変動関連の取り組みを開示する枠組みであるTCFDの提言に基づく情報開示を推奨しており、日本のTCFD賛同機関数は300機関を超え、世界最多となっています。

2019年10月には、東京に各国の産業界・金融界のリーダーが集まり、世界初となるTCFDサミットが開催され、気候変動対策に対して、エンゲージメントの重要性やオポチュニティー評価の重要性などの基本コンセプトの合意に至りました。

2020年10月のTCFDサミットでは、菅総理がTCFD支持を表明したこともあり、TCFD提言を実務に定着、発展させていくことを目的とされました。

このサミットを通じて、気候関連財務情報開示の認識と知見を共有し、日本から世界に対して、TCFD賛同拡大に向けた取り組みを発信しています。

まとめ

脱炭素化に向けた取り組みにおいて、アジア圏においても大きな影響力の持つ日本は、世界からの注目度も高いため、今後もより多く議論や取り組みが行われていくでしょう。

また、ご紹介した取り組みからも分かるように、よりESG投資の重要度も大きなものになっていくことが予想されます。

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脱炭素社会を生き抜くためのESG投資について
2021年8月2日 株式会社ホールエナジー

脱炭素化に向けて、目まぐるしく変化する状況の中で、企業の行う取り組み自体も非常に重要です。

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参考資料

※1 総合的なエネルギー国際協力の展開 経済産業省
※2 東京ビヨンド・ゼロ・ウィーク2021経済産業省