カーボンニュートラルへの企業の取り組み事例6選 注目される背景や取り組む方法も解説

2022.04.27
カーボンニュートラルトラッキング再生可能エネルギー非化石証書

「温室効果ガスの排出を『ゼロ』にする。」という目的で2021年10月、日本国政府は「カーボンニュートラル」を宣言しました。
今回は、カーボンニュートラルを取り組むにあたって、具体的に何をしていけば良いのか。そもそも何故カーボンニュートラルを取り組む必要があるのか、背景やメリットを国内外の事例を含めて見ていきたいと思います。

カーボンニュートラルへ向けた、企業が取るべき具体的アクションとは?

カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは温室効果ガスの「排出量」をゼロ、ニュートラルにすることを意味します。二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスを、植物などがCO2を吸収する「吸収量」を差引ひいて、人為的に排出される「排出量」を、実施的にゼロにする試みを意味します。 

カーボンニュートラルへの取り組みが重要視される背景

では、なぜカーボンニュートラルとは注目を集めているのでしょうか。
これにはやはり地球温暖化が絡んできています。
以前までは「気候変動」で済んできた問題が、今では「気候危機」まで状況がひっ迫しており経済的に影響を及ぼしています。
この地球温暖化に対して、政府は2015年に「世界的な平均気温上昇を産業革命以前より2℃低く保ち、1.5℃に抑える」という「パリ協定」を締結しまいした。

日本におけるカーボンニュートラルへ向けた取り組み

日本政府はカーボンニュートラルに向けて何を取り組み、各企業に何を求めているのでしょうか。時代背景を遡りながら紐解いていきましょう。

菅首相「2050年カーボンニュートラル宣言」(2020年10月)

「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」

2020年10月26日に菅総理は内閣発足後初の上記所信表明演説を宣言いたしました。

「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」策定(2020年12月)

2020年12月、菅総理がカーボンニュートラル宣言して2ヶ月後、「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
グリーン成長戦略において政策目標と実行計画をより具体的に策定を行っていきました。
具体的例:カーボンニュートラルに向けた税制優遇制度の策定

改正温対法の成立(2021年5月)

温対法とは正式名称は「地球温暖化対策の推進に関する法律」であり略称を温対法と読んでいます。
1998年に京都議定書が制定されたのが始まりであり、大枠の枠組みが定められました。また、2021年5月にパリ協定で行われたカーボンニュートラル宣言に伴い一部改正が行われ、以下3つの点が定められました。

・基本的理念の新設 - 政府から国民に対して、地球温暖化対策に関する長期的な方向性が法律上に明記される。
・計画・認定制度の創設 - 改正により408自治体が積極的に再生可能エネルギー活用事業に関与し、取組を推進する制度の創設
・デジタル化・オープンデータ化 - 一定以上の事業者が排出量を報告する制度に対して、デジタル化を図る

企業がカーボンニュートラルへ取り組む主なメリット

カーボンニュートラルを行うにあたって私達は何のメリットが得られるのか、3つの点に絞って見ていきたいと思います。

コストを削減できる

1つ目のメリットとしてコストの削減が上げられます。
電力コストを削減する上で、ポピュラーなのが太陽光発電かと思われます。
自家発電による再生可能エネルギーは今度予想される化石燃料の高騰化にも予防が張れます。
設置コストがかかるものの、今度の電力コスト削減を長期的に見た場合プラスに働くことが期待できます。また太陽光発電に関わらず、排出量の見直しを行うプロセルは結果的にコストの削減にも繋がります。

企業の信頼性・イメージの向上になる

2つ目のメリットとして、企業イメージアップです。
省エネルギーを積極的に取り組んだ企業はイメージアップにもつながり、多くの企業がプレスリリースなど取り組みを掲載しています。また、企業間での信頼や認知度のUPや新しい人材の確保が見込めます。

ESG投資の対象になる

3つ目のメリットとして資金調達の有効性です。
環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governence)を重視したESG投資が金融や投資家間では一般的になっています。カーボンニュートラルを積極的に取り組む企業では他企業との差別化を図ることができる反面、取り組みに遅れれば今後のリスクともなりかねないません。投資評価の基準としてGRESBをツールとして使用する企業が広がりを見せています。

企業がカーボンニュートラルへ取り組む方法

では具体的に何から手をつけて、どのような手段を取ればいいでしょう。
参考例を見ながら進めていきましょう。

省エネルギー(省エネ)の推進

1つ目はエネルギーの省エネです。
省エネルギーと聞けば「節電」が思い浮かべますが、その他代表的例としては「LED照明」の設置や、流量調整方法として「インバーター」の設置、廃熱の回収として「ヒートポンプ」の設置が上げられ、大きな削減効果が見込めます。
また、適切な方法を選定するために公的機関(省エネルギーセンター)を利用することで効果の大きい手段が抽出できます。

再生可能エネルギー(再エネ)への切り替え

2つ目にカーボンをゼロにする上で、電気そのものの見直しは欠かせません。
「使う電気を再生可能エネルギーに切り替える」ことでCO2削減を実現します。
具体的な再生可能エネルギーは太陽光・風力・水力がメインで挙げられその他に、バイオマス・地熱・太陽熱・地中熱…etc等様々な方法で再生可能エネルギーが発電されます。
電力を切替とはいってもソーラーパネル等を一から設置するのではなく、電力会社やプランを切替ることや、「非化石証書」という環境価値のみを購入する手段のみで導入ができます。

ネガティブエミッション

3つ目に温室効果ガスを削減する手法として「ネガティブエミッション」という手法があります。
ネガティブエミッションとは、二酸化炭素を大気中から除去・削減させる技術のことです。仕組みとして二酸化炭素を回収&貯留になう「CCS」と、回収&利用をになう「CCU」があります。※商品やエネルギーに変換
更に掘り下げていくと、大気中から二酸化炭素のみを回収し貯留する「DACCS」や、回収・貯留した二酸化炭素をバイオマスエネルギーと結ぶ「BECCS」などの技術も存じます。

カーボン・オフセット

「カーボンオフセット」とはカーボンニュートラルに向けて温室効果ガスを削減努力した上で、どうしても削減できなかった分・排出される分を、排出量に見合った削減活動に投資することや、植林や環境保護への寄付することによって埋め合わせるという考え方です。
具体的な方法として、
・カーボンオフセットを活用したパッケージ商品等の製造・作成をすることで付加価値をつける
・商品のように「CO2を排出しない」会議やイベントなど参加
・「Jクレジット」や「非化石証書」などを購入
等の方法があります。

非化石証書の購入方法については、以下の記事をご覧ください。

非化石証書購入代行サービスの概要はこちら

【国内】企業のカーボンニュートラル実現への取り組み事例4選

どのような企業が、どのくらいの規模でカーボンニュートラルを計画・行動を行っていくのか国内企業4社を参考にしてみましょう。

三井不動産株式会社

三井不動産様は以下の行動計画を公開しております。

  1. 新築・既存物件における環境性能向上 ― 全ての物件で、ZEB/ZEH水準の環境性能を実現
  2. 物件共用部・自社利用部の電力グリーン化 ― 2030年までに全国の保有物件の電力をグリーン化
  3. 入居企業・購入者の皆様へのグリーン化メニューの提供 - 入居者や購入者の全ての方にグリーンメニューを提供
  4. 再生可能エネルギーの安定的な確保 - 非化石証書を安定的に調達
  5. 建築時のCO₂排出量削減に向けた取り組み -  に削減計画書の提出を義務化・サプライチェーン全体でのCO₂排出量削減を促す

また2019年度の438万t-CO2を2030年には40%の削減を実行し、2050年までには100%の削減をもって脱炭素社会に推進・目標を掲げています。

阪急電鉄株式会社

阪急電鉄様は国内ではじめてカーボンニュートラルを導入した「カーボンニュートラル・ステーション」を実現しました。
年間70t排出される二酸化炭素のうち、約36t分は太陽光発電やLED照明の導入によって削減を行い、残りの34t分は証書等の環境価値を購入することで相殺し、カーボンニュートラルを実現しました。

セコム株式会社

セコムグループ様は2030年度までに温室効果ガスを45%削減とし、2045年までには排出をゼロとする目標を掲げております。
具体的な対策として、排出量の70%を占めるオフィスの電力使用量を削減するために、省エネ機器の積極的な導入や、自社施設への太陽光発電設備の導入・グリーンエネルギー証書の購入・サプライチェーンへの説明会・理解と情報の共有等様々な面で取り組みを行っております。また約9000台所有する車両の95.2%をハイブリッド車など低燃費車へと代替を行っております。

三菱重工エンジニアリング株式会社

三菱重工エンジニアリング様は「脱炭素事業推進室」を新設することで、カーボンニュートラルに向けた実現をいち早く対応しております。

  • 関西電力様と共同で技術を開発、そこから独自のCO2回収技術を強化・導入
  • CO2回収の適用先をバイオマス発電、製鉄・セメント、ごみ焼却等の分野へ拡大
  • アンモニアや水素による水素製造技術の開発・活用、回収したCO2を化学品へ転換利用するCCUSを加速

【海外】企業のカーボンニュートラル実現への取り組み事例2選

国内についで【海外】企業2社を参考に国内との違いを参考にしてみましょう。

ダノン

食品業界において大手ダノン様のミネラルウォーターブランドの「エビアン」は生産工場のカーボンニュートラルを実現するために新工場を設立。更に同工場に追加投資を行い、世界に販売されるエビアン商品を改善。約3憶円規模で実行。
具体的には生産されるペットボトルの素材を再生素材の利用を高め、更には工場敷地内に企業所有の鉄道駅を設け、これにより環境負荷率を下げる。
また100%の再生可能エネルギーで運営し、廃棄物の92%はリサイクルへ、残りの8%はエネルギー原料として用いることで、廃棄物0を実現。

パタゴニア

「パタゴニアがカーボンニュートラルを2025年までに達成するという目標は、どちらかというとカーボンニュートラルへの旅の出発点だと考えます」とパタゴニア者代表は述べています。


1号案件として耕作地の上にソーラーパネルを設置し、必要量の太陽光が下の作物に届くようにするソーラー・シェアリング(別称「営農型太陽光発電」)を千葉県で50KWを実施。1号案件は見事成功し、2号案件として総合計600KW以上のプロジェクト実施予定。
また2050年までにはサプライチェーンを含む事業全体でカーボンニュートラルを達成することを目標としている

まとめ

カーボンニュートラルに向けて本当に今すぐ動くべきなのか、周りは本当に動いているのか、動いているとしたらどんなことをしているのか疑問や不安になると思います。
ですが燃調費高騰やウクライナ情勢等の影響等を考えると電力不足・再エネ不足の企業が増え、今後再エネを導入したくてもできない可能性があります。

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カーボンニュートラルに向けてお困りの方や、情報を求めている方はお気軽にお問い合わせください。

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参考資料

脱炭素ポータル
Sustainable Japan