非化石証書とグリーン電力証書の違いは?メリット・デメリットやJクレジットも解説

2023.01.06
ESG再生可能エネルギー非化石証書

環境問題へ対しての取り組みを示す証書として、「非化石証書」「グリーン電力証書」「J‐クレジット」の3種類がありますが、証明する価値や購入方法、メリット、デメリットも異なります。
本記事では、非化石証書とグリーン電力証書の違いや、J‐クレジットとの違いについて解説していきます。

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非化石証書とグリーン電力証書の違い

グリーン電力証書は、再生可能エネルギーで作られた電気の環境価値を証書化しており、同じく環境価値を示す非化石証書と似ていますが、一部例外もあります。

違いについて、詳しく見ていきましょう。

非化石証書とは

再生可能エネルギーを含めた非化石電源で発電された電力が持つ、「環境価値」を証書化したものが非化石証書です。
「非化石電源」とは天然ガスや石炭、石油などの化石燃料を使わずに電気を作る発電方法のことで 、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなどの再生可能エネルギーと、原子力発電です。
石炭、石油などの化石燃料を使用しておらず、二酸化炭素が排出されないため、環境価値があると評価されます。
非化石証書は、非化石取引市場で入札して購入します。

グリーン電力証書とは

再生可能エネルギーによって発電された電力における、「環境価値」を証書化したものです。
2001年に始まり、企業などの大規模消費者に向けたもので、グリーン電力証書制度で認められている発電方法は、「太陽光・水力・風力・地熱・バイオエネルギー」の5種です。
証書の9割以上をバイオエネルギー発電が占めていると言われています。
グリーン電力証書は発行事業者から購入します。

Jクレジットとは   

環境価値を示すものとして、Jクレジットというものがあります。
省エネ機器の導入や森林を増やす活動などによる、温室効果ガスの排出削減や吸収量をクレジットとして国が認証する制度です。

非化石証書・グリーン電力証書・Jクレジットの違い

環境価値を示す、非化石証書、グリーン電力証書、Jクレジットですが、違いについてもおさえておきましょう。
大きく分けて、違いは2つあります。

1つ目は、売却できるかどうかです。
Jクレジットは売却することができますが、非化石証書とグリーン電力証書は転売することができません。

2つ目は、発電方法についてです。
Jクレジットは、植林や省エネへの取り組みなど、再生可能エネルギーによる発電以外にも認証できる方法があり、すべてが再生エネルギー由来というわけではありません。
非化石証書は、非化石電源によって発電された電力がもつ環境価値を証書化したもので、
グリーン電力証書は、全て再生可能エネルギー由来の発電となっています。

非化石証書の種類

非化石証書には3つの種類があります。
それぞれの内容や特徴について見ていきましょう。

 FIT非化石証書(再エネ指定)

FIT(固定価格買取制度)制度で買い取られた電気の非化石証書です。
FITとは、再生可能エネルギーで発電された電気を、一定期間に一定価格で国が買い取りを保証する制度を指します。
電力会社が買い取る費用の一部を電気を使用する人から集めた、再生エネルギー賦課金が使われています。

非FIT非化石証書(再エネ指定)

FIT制度で買い取られていない、再生可能エネルギーに関する非化石価値の証書です。
同じ発電方法でも内容によって分類が異なり、水力発電の場合、小規模な水力発電はFIT電源に該当しますが、大型水力発電は非FIT電源となります。

非FIT非化石証書(再エネ指定なし)

先ほどのFIT制度で買い取られない非化石発電の価値を証書化したものですが、再生可能エネルギーではない電気に関する証書です。
原子力発電や廃プラスチックを利用したゴミ発電などが、該当します。

非化石証書の種類
非化石証書の種類

参考:資源エネルギー庁 非化石価値取引について-再エネ価値取引市場を中心に-より抜粋

非化石証書のメリット・デメリット

非化石証書に関する、メリット、デメリットについて見ていきましょう。

非化石証書のメリット

  • 非化石証書の購入分は「CO₂排出量がゼロ」とみなすことができる
  • 実質再エネを主張することができ、RE100等への報告が可能
  • CO2排出量削減により温対法等への報告が可能
  • 非化石証書の取引が活性化することで、「再エネ賦課金」の負担軽減が期待される
  • 環境にやさしい企業としてPRすることができる

非化石証書のデメリット

  • 非FIT非化石証書(指定なし)はトラッキングができず、電源の種類が把握できない
  • 非FIT非化石証書を購入すると、内容に原子力も含まれている。

グリーン電力証書のメリット・デメリット

グリーン電力証書のメリット、デメリットについても見ていきましょう。
電力証書購入者と発電事業者によって異なるため、注意が必要です。

グリーン電力証書購入者のメリット

  • 証書に記載された電力量をCO2削減量に換算できるため、企業の自主的な地球環境対策に活用できる
  • 「グリーン・エネルギー・マーク」が提供され、対外的に地球環境貢献をPRすることが可能(図1)
  • RE100や日経環境経営度調査等の報告書作成に活用可能
  • 環境にやさしい企業としてPRすることができる

図1:「グリーン・エネルギー・マーク」

グリーン電力証書のブランドマーク「グリーン・エネルギー・マーク」

※日本自然エネルギー

グリーン電力証書購入者のデメリット

グリーン電力証書の年間の発行量はJ-クレジットや非化石証書と比較して最も少ない状況にあります。価格についても、J-クレジット(再エネ由来)が最も安く、グリーン電力証書が最も高い水準にあります。

自然エネルギー発電事業者のメリット

環境価値の提供により、収入を得ることができます。

また、自然エネルギーにおける発電設備をもたない企業に対して、地球温暖化防止の取り組みへ貢献することもできます。

自然エネルギー発電事業者のデメリット

グリーン電力証書の売却価格は、相場が変動するため値下がりする可能性があります。
また、環境問題の価値を取引する証書には3種類ありますが、グリーン電力証書のみ国が認証する制度ではありません。
年間の発行量が最も少ない状況にあり、最も多い非化石証書が531億kWhであるのに対して、J-クレジットが11億kWh、グリーン電力証書が3億7800万kWhと続きます。

出典:自然エネルギー財団『自然エネルギー100%の電力メニュー、環境負荷や追加性の確認を』(2018/9/26)

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【ご利用の流れ】

STEP1:現状のヒアリングとサポート内容の提案

STEP2:ご契約・サービス開始

STEP3:非化石証書の入札

STEP4:非化石証書お渡し

参考サイト

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まとめ

環境問題へ対しての取り組みを示す証書として、非化石証書、グリーン電力証書、Jクレジットについて詳しくご紹介していきました。
それぞれにメリット、デメリットがあり、証明する価値や購入方法も異なります。
自社に適した証書を販売、購入し、企業評価へとつなげていきましょう。

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参考資料

Energy Shift グリーン電力証書とは?非化石証書との違いは?
RE100電力 グリーン電力証書とは?活用メリット・非化石証書との違いも
NET ZERO NOW 非化石証書とは?
Spaceship Earth 非化石証書とは?種類や仕組み、取引市場、メリット・デメリットをわかりやすく解説
アスエネメディア 環境価値を取り引きするグリーン電力証書とは?