カーボンニュートラルへ向け企業ができること。得られるメリットなども解説

2022.04.08
カーボンニュートラル再生可能エネルギー用語解説

2021年10月、政府は2050年までにカーボンニュートラル実現に向けて、国内で様々な取り組みが行われています。
それにともなって各企業様はカーボンニュートラルを取り込むことに、頭を悩ませているかと思います。
今回は、カーボンニュートラルとはそもそも何なのか、また何故取り込む必要性があるのかを詳しく見て行きたいと思います。

カーボンニュートラルへ向けた、企業が取るべき具体的アクションとは?

カーボンニュートラルとは

「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします」

2020年10月に菅総理が上記所信表明演説を行いました。
温室効果ガスの「排出量」をゼロ、ニュートラルにすることがカーボンニュートラルとなります。
ここで注意点は、植林、森林などの「吸収量」を差し引いて、ゼロにしなければなりません。
つまり「排出量」・「吸収量」も人為的なもののみになります。 

カーボンニュートラルで削減すべき「温室効果ガス」

「温室効果ガス」についてもう少し紐解いていきましょう。
温室効果ガスとは聞けば二酸化炭素(CO2)と思い浮かべますが、ここでいう温室効果ガスとはCO2だけではありません。CO2に加えてメタン(CH4)や一酸化二窒素(N2O)、各フロントガスを含む「温室効果ガス」が対象になります。

排出量に含まれない「温室効果ガス」

ポイントとして「排出量を完全にゼロにするわけではない」ということです。
上記でも注意点として『植林、森林などの「吸収量」を差し引いて』と述べました。
エネルギーを生み出すにあたって化石燃料は欠かせない存在です。排出量をゼロにするのはかなりハードです。
その為、植物や海藻など温室効果ガスを吸収する量を差し引いたレベルまで、炭素資源依存から脱却することを意味しています。

カーボンニュートラルが必要とされる背景

根本に戻りますが、そもそも何故政府はカーボンニュートラルを掲げているでしょうか。
環境省は地球温暖化がこのまま進行すれば、資源にかかわらず経済的に大きな影響を及ぼす可能があると述べています。これまで『気候変動』で話がすんでいたものが、『気候危機』まで足を踏み入れてしまっているのことが背景にあります。
国がカーボンニュートラルを行うのではなく、企業・個人が行っていく必要があります。

カーボンニュートラルへの取り組みによって
企業が得られるメリット

カーボンニュートラルを取り組むメリットとして、環境省が示す5つメリットをご紹介していきます。

優位性の構築

1つ目のメリットとして優位性の構築です。
SBT等に加盟するなど、環境・気候問題に対して強い意識を持つ企業を中心に、サプライヤーに対して排出量の削減を求める傾向が強まっています。その為、経営者は自社製品の競争力確保・強化に今後熱が入ってくると予想されます。 ※SBTとは「Science Based Targets」

光熱費・燃料費の低減

2つ目のメリットは光熱費・燃料費の低減です。
カーボンニュートラルに向けて原材料・部品調達や製品の使用段階も含めた排出量を削減するプロセルによって、結果的に光熱費・燃調費のコスト削減に繋がります。

知名度・認知度の向上

3つ目のメリットは知名度・認知度の向上です。
省エネルギーを積極的に取り組んだ企業については、プレスリリースの掲載、国や自治・メディアからの表彰などを通じて、知名度や認知度のUPを図ることが可能になります。

社員のモチベーション向上・人材獲得

4つ目のメリットは社員のモチベーション向上・人材獲得です。
環境・気候変動問題について企業として取り組む姿勢は、企業間の信頼関係を獲得することも可能となり、外側だけではなく社員という内側でも信頼関係やモチベーションの向上を働きかけることが可能となります。
また、取り込む姿勢に共感を得ることで新しい人材の確保も望めます。 

資金調達時における優位性

5つ目のメリットは資金調達時における優位性です。
カーボンニュートラルに向けて注力が高まりつつあることに触れてきましたが、近年では投資家や金融機関が融資先について選定基準に組み込まれ、カーボンニュートラルを進める企業については融資を優遇する動きも見られます。※1

カーボンニュートラルに取り組まないことで起こり得るリスク

Appleや村田製作所、日本電産など国内外問わず自社向けの製品に100%再生可能エネルギーを目指すサプライヤーが増えております。このような動きに対してサプライチェーン全体でカーボンニュートラルや再エネ100%の対応を求める事例が増えつつあります。
この流れ乗り遅れた場合、最悪のケースはサプライチェーンから外されるというリスクが考えられます。

カーボン ニュートラルに向けて求められる規制と自主的活動

政府は一定以上のエネルギーを使用する企業に対して、
省エネ法(使用量の報告)・温対法(CO2排出量の報告)を求めています。
一部企業では自主的に再生可能エネルギーに対して、目標・開示等を設けています。

事業者に求められる規制

上記で述べた省エネ法は事業者に対して、エネルギー消費量の削減目標を設定と達成度の報告を求めいてます。一方で温対法はCO2排出量の報告を求めていますが、省エネ法とは違い削減目標や設定は求められていません。
一部自治体では制度を導入し、事業者に対して排出量の上限を設け、それに対して事業者は余剰排出量や不足排出量を売買しています。
報告方法として省エネ法の定期報告書を使用して報告が可能です。温対法は「温室効果ガス算定排出量の報告書」の提出が必要となります。※令和4年よりEEGS稼働予定

省エネ法とは

もう少し省エネ法・温対法というワードについて注目してみます。


まず省エネ法とは「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」の事を指します。
昭和54年にオイルショックを契機とし、エネルギーを効率的に利用していく目的として制定されました。

※目的定義:「内外におけるエネルギーをめぐる経済的社会的環境に応じた燃料資源の有効な利用の確保に資するため、工場等、輸送、建築物及び機械器具等についてのエネルギーの使用の合理化に関する所要の措置、電気の需要の平準化に関する所要の措置その他エネルギーの使用の合理化等を総合的に進めるために必要な措置を講ずることとし、もって国民経済の健全な発展に寄与すること」(2013年改正時に導入)

温対法とは

一方で温対法とは、正式には「地球温暖化対策の推進に関する法律」を指します。国から企業・国民まで、一人一人が地球温暖化の対策に取り組むための枠組みを定めた日本初の制度になります。

※目的定義:「「地球温暖化対策」に関して国、地方公共団体、事業者及び国民の責務をそれぞれ明確にし、対策の推進を図り、現在そして将来の国民の健康で文化的な生活の確保し、人類の福祉へ貢献することを目的」

事業者に求められる自主的活動

一部企業では自主的に気候問題に対して、「RE100」や「SBTイニシアチブ」などの国際イニシアチブへの加盟をすることで、再生可能エネルギー等の利用に目標の設定や、開示・実行を行っております。

「RE100」・「SBT」について掘り下げていきましょう。

RE100とは

まず「RE100」とは使用する電力の100%を再生可能エネルギーによって発電された電力で賄うことを目指している国際的な企業連合を指します。
この取り組みには2018年に「環境省」も世界初の公的機関として参加し、率先的な取組やその輪を広げています。

SBTとは

次に「SBT」とは「Science-based Targets」の頭文字を取った略称であり、訳すと「化学的根拠に基づく目標」と呼ばれています。その名の通り、化学的根拠に基づいて排出される二酸化炭素削減することを目標とした企業連合を指します。日本では積水ハウスや野村不動産などが認定されています。

カーボンニュートラルに向け企業ができること

カーボンニュートラル導入に向けて企業が何ができるのか、ステップを踏んで取り組んでいきましょう。

自社のCO2排出量を把握する

カーボンニュートラル導入に向けて出発点として、まず現状のエネルギーの消費量やCO2排出量を把握しなければなりません。 使用量と排出量を把握は、省エネ法と温対法の報告において必要不可欠となります。

CO2排出量を削減する

次にステップとしてエネルギー起源CO2排出の削減を目指します。
エネルギー起源のCO2とは発電、運輸、および産業、家庭での加熱など、化石燃料をエネルギー源として使用する際に発生する二酸化炭素のことを指します。
また、CO2発生起源においても「電力」と「非電力」に分け、CO2削減を整理する必要もあります。電力分野では電力会社等による選定を見直し、非電力分野では水素やバイオマスなどを模索します。

省エネルギー対策を行う

排出量削減は「節電」だけではありません。代表的な対策として挙げられるのが蛍光灯からLED照明に交換や、流量調整としてバルブからインバーターへの変更が挙げられます。また、省エネルギーセンターなどの公的機関なでの省エネ診断を受信することで的確に手法を抽出ができます。

再生可能エネルギーを活用する

最近では「再生可能エネルギー」というワードを耳することがあるかと思います。
再生可能エネルギーの具体例として、太陽光、風力、水力、地熱、バイオマスなどがあります。
太陽光などで生み出された生のエネルギーを電力に変換したものは、脱炭素化されたものを使用する一つの手段になります。
供給方法としてはソーラーパネルなどの自家発電や、再生可能エネルギーで発電した電気事業者を小売電気事業者からの電力購入がポピュラーとなります。

植林によって排出されたCO2の購入

上記の方法とは別に「J-クレジット」などの「環境価値」を購入する方法もあります。
「J-クレジット」とは省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの導入により排出削減量・吸収量を実現・つくりだされたものを「クレジット」として国が認証する制度のことです。
「J-クレジットのつくる人」と「J-クレジットを買う人」に分かれ、 J-クレジットを購入することで、排出量ゼロを寄与することが可能となります。

カーボンニュートラルに関する無料相談窓口

中小機構(独立行政法人 中小企業基盤整備機構)では、中小企業・小規模事業者に向けて、カーボンニュートラルや脱炭素化について、無料の相談窓口設けています。
ZOOM等のオンラインで毎週火・木曜9~17時に相談を受け付けています。
※相談には公式サイトから事前予約が必要となります。
参考:カーボンニュートラルに関する相談|中小機構
https://www.smrj.go.jp/sme/consulting/sdgs/favgos000001to2v.html

まとめ

カーボンニュートラル向けて、基礎的な知識と今できることについて触れてきました。
現在原油高騰およびウクライナ危機によるLNG(液化天然ガス)不足により電力の調達コストが高騰、電力量の不足に陥っています。それにともなって、限りある再エネルギーをめぐって各企業の争奪戦が予想されます。今後電力不足と再エネの需要が増えれば、再エネを導入したくてもできない可能性も加味しなくてはなりません。

弊社ホールエナジーでは、お客様に最適な再エネ導入方法や購入先を提案、
電力市場の最先端な情報提供、継続的なサポートを行っております。
カーボンニュートラルに向けお困りの方や、情報を求めている方はお気軽にお問い合わせください。

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参考資料

※1 中小規模事業者のための脱炭素経営ハンドブック-温室効果ガス削減目標を達成するために-|環境省