中小企業におけるカーボンニュートラルへの取り組み|事例3選と活用できる仕組みも解説

2022.10.04
ESGSDGsカーボンニュートラル再エネ調達再生可能エネルギー

2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、日本でも各企業での取り組みが加速しています。

そこで、本記事ではこれからカーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを検討している企業のコスト削減担当者に向けて、企業ができる取り組みや事例をご紹介していきます。

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カーボンニュートラルとは

カーボンニュートラルとは、「二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること」のことです。
国際的にSDGsに向けた動きも加速しており、その一環として脱炭素に向けた動きも活発化しています。国内でも関心は高まっており、2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、すなわちカーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。

カーボンニュートラルが注目を集める背景

カーボンニュートラルが注目を集め、課題とされる背景として、深刻な地球温暖化をはじめとする気候変動が挙げられます。
2015年、フランス・パリにおいて開催されたCOP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)においてパリ協定も採択されました。現在では、120を超える国と地域が2050年までにカーボンニュートラルを達成すべく、課題達成に向けて動いています。

中小企業がカーボンニュートラルに向けてできること

世界規模で重要な課題とされるカーボンニュートラルですが、中小企業も課題に向けて取り組みを行う必要があります。
具体的にどのようなことができるのか見ていきましょう。

自社のエネルギー使用量・CO2排出量を把握する

自社がどの程度のエネルギーを使用しているのか、CO2を輩出しているのか把握できているでしょうか。
まずは、現状を知ることから始めましょう。 把握の方法ですが、燃料の使用量からCO2排出量を計算することが可能です。

  CO2排出量を削減する

2019年度の全国地球温暖化防止活動推進センターの調査によると、日本のCO2排出量の80%以上が企業活動によるものであることがわかっています。
経済を動かす中で、いかにCO2排出量を削減するかが大きな課題と言えるでしょう。
例えば、運送業の場合、環境に対応したクリーンエネルギー車を導入する、物流網の効率化を行い余計なCO2排出を抑えるなど、すぐに取り組める対応策は多数あります。
CO2を削減できることはもちろんですが、業務の効率化やコスト削減に繋がる可能性もあるため、一度現状を見直してみましょう。

省エネルギー対策を実施する

省エネルギー対策を実施することも効果的です。
高効率の照明や空調を利用したり、老朽化している製品を新しくしたりすることでも変化があります。CO2排出量同様、コスト削減も期待できるでしょう。
設備を一新することもできますが、初期費用が高くつくことがネックです。ただし、その後のランニングコストは抑えることができるため、一度検討してみることもおすすめです。

再生可能エネルギーを利用する

太陽光、風力などの、再生可能エネルギーを使用することも選択肢の一つです。
取り組みやすい方法としては、再生可能エネルギーが利用できる電力会社に乗り換えることなどが挙げられます。

カーボンオフセットを実現する

様々な対策を行なったとしても、どうしても削減しきれないCO2排出量があることも事実です。
それを、植林や植林保護などで埋め合わせることをカーボンオフセットといいます。
具体的には、以下の5つの取り組み方法が挙げられます。

  • 自己活動オフセット
  • 会議・イベント開催オフセット
  • 商品使用・サービス利用オフセット
  • 自己活動オフセット支援
  • 特定者間完結型オフセット

※参考URL:https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sangi/carbon_neutral/pdf/001_04_02_02.pdf

中小企業がカーボンニュートラルへの取り組みで活用できる仕組み

国内外でカーボンニュートラルへ向けた様々な取り組みが行われています。
このような取り組みに参加することで、中小企業が行なっている活動をアピールすることも可能です。具体的にどのようなものがあるのか、見ていきましょう。

SBT

SBTとは、「Science-based Targets」の頭文字を取った略称で、「科学的根拠に基づく目標」を意味しています。
パリ協定が求める水準と整合した国際的なイニシアティブのことで、5〜15年先における温室効果ガス排出量の削減目標のことです。 中小企業の場合は、中小企業版SBTに参加することも可能で、企業のネームバリューを高めることにも繋がるでしょう

RE100

RE100とは、国際環境NGOのThe Climate Group(TCG)とCDPによって2014年に開始したものです。
国際的なイニシアティブで、企業が自社の事業による使用電力を、100%再生エネルギーで賄うことを目標に掲げています。

RE Action

「再エネ100宣言 RE Action」の略称で、企業等の団体が使用電力を100%再生エネルギーに転換する意思と行動を示すものです。
再生エネルギーを100%利用することを促進する、日本独自のイニシアティブとなっています。

中小企業におけるカーボンニュートラルへの取り組み事例3選

具体的に中小企業が行なっているカーボンニュートラルの取り組み事例についてみていきましょう。「中小企業版SBT・RE100取組事例」として、環境省のサイトで紹介されている企業からご紹介していきます。

協発工業株式会社

愛知県岡崎市にある、自動車部品の加工会社による取り組み事例です。
SBTイニシアチブの認定を取得しており、2030年度までに温室効果ガス排出量を2018年度比で50%削減することを目標としました。SBT取得の背景として、顧客や投資家からの削減要請に応える、ビジネスチャンスの拡大を狙うといった理由があるそうです。具体的な取り組みとしては、工場の使用電力の再エネルギー化推進、その他の間接排出においては排出量を測定して削減する取り組みを行なっています。

ユタコロジー株式会社

愛知県名古屋市にある、ビル環境やトイレタリー商品企画製造販売などの事業を手掛ける会社です。
こちらの企業は、2030年までに脱炭素100%などの目標を掲げています。
具体的な取り組みとして、事業活動で排出されるエネルギーを毎年カーボンオフセットする、SDGsに関する社内勉強会の開催などが挙げられます。
勉強会は週1回実施されており、従業員の環境問題への意識を高めることを目的としているそうです。 

株式会社篠原化学

愛知県名古屋市にある、寝具の企画や開発、製造卸し、輸入、販売などを行う会社で、SBTだけでなくSDGsの目標達成にも取り組んでおり、全国の企業が取り組むSDGs活動のサポートしている企業でもあります。2030年までに、温室効果ガス排出量を2018年比で50.4%削減することを表明しています。
今後の取り組みとして、電気の使用を再生エネルギーのものに替えたり、ガソリン車をEV車に替えたりすることを検討しているそうです。

※参考URL:https://shinoharakagaku.com/company/sdgs/index.html

まとめ

2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、国内外で様々な取り組みが行われています。
国内の各企業でもその動きは加速しており、中小企業においても活動に参画しているかどうかが企業価値、評価へと繋がる時代となってきました。
カーボンニュートラルへ取り組む中で、結果的にコストの削減に繋がるケースもあります。
まずは自社の現状について把握し、どのような取り組みなら行うことができるのか、具体的に検討していきましょう。
また、積極的に活動へ取り組んでいる企業も増えてきていますので、ぜひ参考にしながらカーボンニュートラル実現へ向けたアクションを起こしてみてはいかがでしょうか。

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参考資料
https://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/sangi/carbon_neutral/pdf/001_04_02_02.pdf 経済産業省
https://shinoharakagaku.com/company/sdgs/index.html 株式会社篠原化学様オフィシャルサイト