GX(グリーントランスフォーメーション)とは|基本情報や各社が積極的に取り入れる理由と利点

2023.09.05
ESGカーボンニュートラル脱炭素

脱炭素社会に向け政府が推進するGX(グリーントランスフォーメーション)とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。
本記事では、GXの基本情報から注目される背景、企業が取り組むメリットなどを解説します。
エコな職場環境や温室効果ガス(主にCO2)の排出量削減を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

  カーボンニュートラルへ向けた、

企業が取るべき具体的アクションとは?

GX(グリーントランスフォーメーション)の基本情報

2022年7月に岸田総理大臣を議長とする「GX実行会議」が設置され、基本方針案がまとめられた、グリーントランスフォーメーション(GX)の基本情報を解説します。

GX(グリーントランスフォーメーション)とは?

GXと略されるグリーントランスフォーメーションとは、温室効果ガスを発生させる石油・石炭などの化石燃料をできるだけ使わず、太陽光発電や風力発電などクリーンエネルギーへ転換する取り組みのことです。
また、この取り組みを産業競争力の向上につなげて、「経済社会システム全体の変革」を進めることを目的にしています。

地球温暖化対策として温室効果ガスの排出量削減は、世界中で喫緊の課題です。
日本は2050年までに「カーボンニュートラル」を目指すと政府が宣言していますが、達成するには企業の協力が欠かせません。

カーボンニュートラルとは?

経済活動などで排出する温室効果ガスと、植林などの活動により吸収・削減する炭素量を均衡させて、実質ゼロの状態にすることです。
温室効果ガスの排出量を無くすことは難しいため、吸収量を増やそうという計画です。

GXグリーントランスフォーメーション)が注目される背景

クリーンエネルギーへの転換、経済社会システム全体の変革が求められるのは何故なのでしょうか。

地球温暖化の進行

産業革命以降、世界の平均気温は上昇を続けています。その主原因は化石燃料から生まれる温室効果ガスと言われています。
地球温暖化が進行すると、極地の氷が溶けて海水が増えることで異常気象が起こり、洪水や干ばつが多発し社会全体に悪影響を及ぼします。
GXによる環境の保全・改善は地球規模で最重要の行動なのです。

政府によるカーボンニュートラル宣言

2020年10月に菅総理大臣(当時)が「日本は2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」と宣言しました。
この宣言を実現するために経済産業省は、2020年12月に「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定し、成長が期待できる14分野における実行計画を掲げました。
2021年6月にはさらに具体化した戦略を発表し、イノベーションの創出に取り組んでいます。

投資分野の1つへの位置づけ

2022年6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」において、GXへの投資は「新しい資本主義に向けた計画的な重点投資」の1つとなり、10年間で150兆円超の官民投資を実現するとしています。
近年は、Environment(環境)・Social(社会)・Governance(ガバナンス/統治)の3観点から投資先を決めるESG投資が広がっているため、投資家や企業はESG投資と関連性が高いGXへの関心を高めています。

GX(グリーントランスフォーメーション)にむけた2つの政府の取り組み

日本政府主導で進められている取り組み内容を解説します。

GX実行会議

GXの実現に必要な施策を検討するために設置された組織で、閣僚や有識者で構成されています。
2022年7月の第1回会議では、主に以下の2点が議論されました。

  • 日本のエネルギーの安定供給の再構築に必要となる方策
  • 上記を前提として、脱炭素に向けた経済・社会、産業構造変革への今後10年のロードマップ

議論の結果やパブリックコメントを踏まえ、2023年2月に「GX実現に向けた基本方針」が閣議決定しました。
基本方針では、「エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXの取組」や「成長志向型カーボンプライシング構想等の実現・実行」、「今後10年を見据えたロードマップの全体像」などが示されています。

 GXリーグ

経済産業省が2022年に始めたGXリーグは、GXに積極的な企業と、行政・金融機関・研究機関とが協力して議論し、市場の創造のための実践を行う場です。

温室効果ガスの排出量削減に加えて、経済社会システム全体の変革を目指すことで、環境の保全・改善と経済活性化の両立を目指しています。2023年1月31日時点で679社の企業がGXリーグ基本構想に賛同しています。

企業がGX(グリーントランスフォーメーション)に取り組むメリット

GXに取り組むことは、企業に取ってどんなメリットがあるのでしょうか。

企業のイメージ向上

地球温暖化問題が広く認知されたことにより、環境に配慮した製品やサービスを重視する消費者が年々増加しています。
GXに取り組むことで、環境問題に対する姿勢が評価され企業のイメージ向上が期待できます。

消費者だけでなく、投資家や求職者からも好印象を持たれれば、資金や人材確保も有利になるでしょう。

エネルギーのコスト削減

クリーンエネルギーへの転換は初期投資などで高コストなイメージがあります。
しかし、中長期的にみればエネルギーのコスト削減につながります。オフィスや工場に太陽光パネルを設置して発電すれば、自社で使用するエネルギーを賄えますし、余った分は売ることができます。
自家発電比率が増えることは、エネルギー資源価格の高騰に対するリスク対策にもなります。

公的予算の増加

GXは政府の重点投資分野であり、多額の投資が予定されているため、企業への補助金増加が期待できます。
例えば、温室効果ガスの排出量削減に取り組む企業を支援する「ものづくり補助金(グリーン枠)」や「事業再構築補助金(グリーン成長枠)」は要件の一部が緩和される予定で、補助金が受けやすくなる見込みです。
2023年7月時点での補助金額は、事業規模・従業員数により異なり100万円〜1.5億円となっています。

GX(グリーントランスフォーメーション)に取り組む企業事例3つ

GXに取り組む企業では、どのような施策をおこなっているのでしょうか。
具体例を見ていきましょう。

 トヨタ自動車

国内最大手の自動車メーカーであるトヨタ自動車は、2015年に「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表しました。これは、CO2を排出し環境に悪いという車のマイナス要因をゼロに近づけ、社会にプラスをもたらすことを目指したチャレンジです。

GXリーグにも参画しており、CO2を排出しない新車の開発/製造過程の構築/再生可能エネルギーで稼働する工場運営など3つの「CO2ゼロチャレンジ」を実施しています。また、2035年までに世界の自社工場をカーボンニュートラルにすると発表しています。

NTT

通信業大手であるNTTでは、2020年5月に「環境エネルギービジョン」を策定し、自社における再生可能エネルギー利用率を2030年までに30%以上引き上げると宣言しました。

2021年9月には「NTT Green Innovation toward 2040」を発表し、NTTグループ全体で2040年度までのカーボンニュートラル実現を掲げました。
2030年度にはグループの温室効果ガス排出量を2013年比で80%削減するとしています。

東京電力

電力業界では、化石燃料に依存した発電から再生可能エネルギーへの転向が世界的な潮流です。関東圏に電力を供給する東京電力では、「ゼロエミッション(廃棄物ゼロ)電源の開発」と「エネルギー需要の更なる電化促進」の展開を宣言し、2030年度は販売電力由来のCO2排出量を2013年比で50%削減するとしています。

GXの施策として、国内洋上風力の開発・導入やCO2ゼロメニューの充実、蓄電池ビジネスの事業化・サービス提供などを進めています。

まとめ

今回は見聞きする機会が増えたGXについて解説しました。
脱炭素社会に向けた経営戦略は、今後ますます重要になるでしょう。

ホールエナジーは、再エネ導入やカーボンニュートラル実現のサポートを得意としています。
脱炭素化でお悩みのことがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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  カーボンニュートラルへ向けた、

企業が取るべき具体的アクションとは?

参考記事

NEC GX(グリーントランスフォーメーション)とは?意味やGXリーグなどの取り組みについて解説

d’s JOURNAL GX(グリーントランスフォーメーション)とは|基礎知識や企業事例を解説