サステナブルの意味を簡単に理解しよう|企業ができる取り組みも紹介

2024.01.15
ESGSDGs

企業CMで見聞きする機会が増えた「サステナブル」ですが、どのような意味で具体的にどんな事柄を指すのか、分かりにくいというお声を頂きます。

本記事では、サステナブルの意味をわかりやすく解説し、企業ができるサステナブルな取り組み事例をご紹介します。環境に配慮した企業経営の参考にしてください。

  カーボンニュートラルへ向けた、

企業が取るべき具体的アクションとは?

サステナブルを理解する

サステナブルは環境に良さそうなイメージを持つ言葉ですが、具体的にどのような事柄を指すのでしょうか。

概要

サステナブル(Sustainable)とは、英語の「Sustain(持続する)」と「Able(可能な)」を組み合わせた形容詞で、日本語では「持続可能な」と訳されます。社会や環境を考慮しながら経済発展させるための概念として使われます。これは、1987年に国連の報告書で「サステナブル=デベロップメント(持続可能な開発)」という表現がなされてから、環境用語として広く浸透しました。

サステナビリティとの相違点

サステナブルと同じように使われることの多いサステナビリティ(Sustainability)ですが、こちらは名詞で「持続可能性」という意味です。環境、社会、経済において長期的な視野で持続可能な状態にすることを指し、サステナビリティレポートやサステナビリティマネージャーという形で使用します。

世界的にサステナブルが注目を集めている

サステナブルな活動は世界中で合言葉のように提唱されています。なぜこれほど注目されるのでしょうか。

地球で起きているさまざまな問題

18世紀後半から始まった産業革命以降、人間は大量の石炭や石油を使うことでエネルギー供給量を急増させ、豊かで便利な生活を手に入れました。しかしその代償として、CO2などの温室効果ガスが増加し地球温暖化が進んでいます。地球温暖化は異常気象を引き起こし、深刻な干ばつや水害をもたらします。加えて経済発展による森林破壊やゴミなどによる海洋汚染の問題も世界中で起きています。

サステナブルが注目を集めている理由

地球温暖化の原因である消費型の社会は、資源を使うばかりで回復させることがありません。このあり方は未来の人々に悪影響を与えると問題視され、持続可能な社会の実現に向けた取り組みが世界中で始まりました。
環境負荷の少ない方法で資源を作り出したり、資源を繰り返し使ったりする循環型の社会は、「サステナブル」という言葉が誕生したことをきっかけに注目されるようになりました。

SDGsとの関係性

環境保全・循環型の社会を連想させるSDGsと、サステナブルはどのような関係なのでしょうか。

SDGsの概要

SDGs(Sustainable Development Goals)とは「持続可能な開発目標」のことで、2015年9月の国連サミットで採択された2030年までに達成すべき世界共通の目標です。17のゴールと169のターゲットから構成され、発展途上国・先進国問わず全ての国と地域が参加すべきとしており、地球上の「誰一人取り残さない」ことを理念としています。

SDGsとサステナブルの関係

SDGsは、サステナブルでよい未来を実現するための具体的な行動指針を定めたものです。
貧困や飢餓、環境保全、クリーンエネルギーへのシフト、ジェンダー平等など様々な問題に関して目標が決められています。

【業界別】サステナブルな社会に向けた取り組み

サステナブルな社会に向け、企業ではどのような取り組みを行なっているのでしょうか。業界別に見ていきましょう。

食品

日本では年間523万トン(令和3年度推計)の食品が捨てられています。 これは全国民が毎日おにぎり1個分(114g)の食べ物を捨てている計算です。食品業界では、食べられるのに捨てられてしまうフードロスの削減や、食材調達を持続可能な方法にする取り組みが行われています。

フードロス削減の主な例はフードバンクです。包装の破損や印刷ミス、過剰在庫などの理由で流通できない食品を企業はフードバンク団体へ寄贈します。その食品は困窮世帯や福祉施設などに無償提供されます。

参考元:消費者庁「食品ロス削減関係参考資料(令和5年8月23日版)」

ファッション

日本国内で新規供給される衣類は年間81.9万トン(令和2年度)ですが、このうち約65%にあたる51.2万トンが廃棄されています。 ファッション業界では、衣類の再利用や環境に配慮した素材の服を生産する取り組みが行われています。
衣類の再利用の主な例はアップサイクルです。回収した衣類の特性を生かし新たな価値を与え、別の製品を作ることです。例えば、洋服からぬいぐるみを作成することを指します。

参考元:環境省 「令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務(2020.3)」

住宅

日本の家庭エネルギー消費の約30%を占めるのは冷暖房です。住宅業界では、冷暖房エネルギーを少なくする省エネ住宅や二酸化炭素の排出を抑える住宅の開発と普及させる取り組みが行われています。

高断熱・日射遮蔽・高気密によって冷暖房エネルギー消費量を抑える省エネ住宅は、通常住宅より建築コストが掛かりますが、政府による補助金制度や住宅ローンの金利優遇・減税制度を利用することでコストを抑えることができます。

企業がサステナブルな取り組みをするメリット

様々な業界でサステナブルな取り組みが行われていますが、企業にとってメリットはあるのでしょうか。

企業のイメージアップ

近年の消費者は環境問題に対する関心を高めているため、サステナブルな取り組みをすることで企業のイメージアップに繋がります。また、社会的な評価が高まれば企業価値が上がり、投資家や取引先からの信頼も高まります。

事業コストの削減

オフィスや工場の省エネ化やリサイクルに取り組むことは、事業コストの削減に繋がります。業務を見直し効率化することで、人件費の削減も可能でしょう。新しい取り組みには初期投資が必要ですが、長期的にはプラスに働く可能性が高いです。

 離職率の低下

労働環境の整備もサステナブルな取り組みです。長期的に働きやすい職場では従業員の満足度が上がり、離職率の低下に繋がります。企業が社会問題の解決に取り組むことで、従業員のモチベーションが上がるだけでなく、優秀な人材を呼び込むこともできるでしょう。

企業が実施可能なサステナブルな取り組みとは

サステナブルな取り組みを始めたいと考え時、どのようなことから始めれば良いのでしょうか。実現可能な事例をご紹介します。

食品ロスの削減につながるビジネス

食品を扱う企業であれば、食品ロスの削減を考えましょう。過剰生産しないようにAIを活用した食品の需要予測を立てたり、在庫処分セールやフードバンクの活用を行ったりして廃棄量を減らしましょう。また、生産工程や調理で出る食品ロス部分を活用し、新商品を開発したり、加工品にまわしたり、堆肥や飼料に加工したりするなど、新しいビジネススキームを構築することも有効です。

サステナブルファッションの実践

アパレル業界は作業工程で汚染水や温室効果ガスを大量に発生させます。また動物の皮や毛を使うことや、衣類の大量廃棄など環境負荷が高い産業です。そこで近年、生産から流通において環境や社会に配慮した取り組みを行うサステナブルファッションを実施する企業が増えています。具体的な活動はオーガニックコットンやリサイクル素材の積極使用、動物の皮や毛を使わない、フェアトレードの実践などが挙げられます。

国産木材の利用

日本は国土の2/3を森林が占めていますが、木材自給率は低く約70%を輸入に頼っています。戦後復興期の木材需要に対応するため大量に植えられた人工林の60%が利用されていない状況で 、生態系への懸念が高まっています。そこで、国産木材を宿泊施設や医療施設などに採用するプロジェクトが進められています。国内資源を有効活用することで海外の森林破壊を食い止め、林業を盛り上げることもできます。

参考元:内閣府 林野庁「森林・林業政策の現状と課題(平成29年9月)」

まとめ

サステナブルとは、社会や環境を考慮しながら経済発展させるための概念です。環境保全しながら循環型の社会を作り上げるため、様々な業界・産業で新しい取り組みが行われています。

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参考資料

SDGs ACTION サステナビリティとSDGsの違いは?ESGやCSRとの関係性、事例も紹介
WITH YOU(関西電力グループ) サステナブルとは?意味や具体例・SDGsとの違いをわかりやすく簡単に解説