Jクレジットとは?非化石証書との違いをわかりやすく解説!

2021.12.08
ESGSDGsカーボンニュートラル環境価値

2021年12月2日、環境省と経済産業省はJ-クレジット制度を見直すと発表しました。
今回の見直しでは、より森林由来のクレジットが創出しやすくなるよう制度変更を行う方針です。

とはいえ、先日から電力会社でなくても非化石証書の購入が可能になり、
弊社でも非化石証書の調達サービスを開始しました。※1

そんな中で、非化石証書より割高なJ-クレジットを使う必要はあるのでしょうか。

今回は、J-クレジットとはなんなのか、非化石証書とはどのような違いがあるのか解説していこうと思います。

J-クレジットとは

J-クレジットとは、J-クレジット制度によって認証される、省エネ・再エネ設備の導入や森林管理等による温室効果ガスの排出削減・吸収量のクレジットです。
クレジットを創出する側は、活動がプロジェクト単位で登録され、クレジット認証されます。
創出されたクレジットは、自社のCO2排出量をオフセットし、温対法やRE100達成のための報告に用いることができます。※2

ここでは、J-クレジットの特徴を ①創出 ②取引 ③購入・使用 の3つの側面から見ていきます。

創出

J-クレジットの最大の特徴は、創出のための方法論の多様性にあります。

方法にはまず「通常型」と「プログラム型」に分けられ、1つの工場・事業所等における1つの削減活動を登録するのを「通常型」、
家庭の屋根に太陽光設備を導入など、複数の削減活動を取りまとめて1つのプロジェクトとして登録するものを「プログラム型」といいます。

「J-クレジット創出の方法論(一部)」J-クレジット制度事務局資料よりホールエナジー作成

J-クレジットが承認される方法論としては、2021年8月時点で61種類があり、その多様性が伺えます。

また、非化石証書の場合、創出は発電事業者しか行えませんが、
J-クレジットは、設備の稼働時期や投資回収年数等いくつか要件があるものの、基本的に参加する事業者に制限はありません。

取引

取引方法は主に3つあります。

  1. 1.仲介事業者からの購入
  2. 2.J-クレジット制度HPを利用
  3. 3.J-クレジット制度事務局からの入札

基本的には1.と2.の方法で取引を行います。
HPに掲載後、6か月以上取引が成立していないものが3.によって入札にかけられます。

購入・使用

本項冒頭でも述べたように、購入したJ-クレジットは自社のCO2排出量をオフセットし、様々な法制度への報告に用いることができます。
ただ、「1.創出」で述べたようにJ-クレジットには様々な方法論が承認されているため、
使用する際に用途が限られる場合があるので注意する必要があります。

出典:J-クレジット制度事務局

特に、自社の利用するエネルギーを全て再エネ化することを目指す「RE100」には、
再エネ由来のものしか適合しない点については特に気にかける必要があり、
ピンポイントな用途に用いられる分、その需要も高く、価格も他のものに比べて高くなる傾向があります。

購入したJ-クレジットは、手続きによって「無効化」することにより自社の排出分に充てることができます。
特に再エネ発電由来や再エネ熱由来のクレジットを無効化すると、「再エネ算定通知書」が使用したクレジット分発行され、
CDPやSBT、RE100(再エネ発電由来のみ)等に報告することができます。

非化石証書との違い

  • 発電事業者以外でも創出ができる
  • 購入者でも価値の移動・転売ができる
  • 有効期限がない(=期間による失効がない)
  • 価格が高価

2021年11月から需要家でも購入が可能になった非化石証書との違いとしては、
大きく上記の4点が挙げられます。
ひとつひとつ詳しく見ていきましょう。

  • 発電事業者以外でも創出ができる

非化石証書の創出は発電事業者しか行えませんが、
前項でも触れた通り、J-クレジットはどんな事業者でも創出ができます。
たとえば、工場を保有するメーカー企業が自社工場の設備を新しくすることでクレジットを創出し、
そのクレジットを売却することで利益を生むことも可能です。

  • 発電事業者以外でも創出ができる

非化石証書は通常、購入した法人に対してしか使用することができず、例えばグループ会社や子会社のCO2排出量に充てることはできません。
ですが、J-クレジットは双方に専用口座さえあれば価値の移動ができるため、
クレジットを受け取る側がJ-クレジット購入者として登録申請を行う必要がございません。

  • 有効期限がない

非化石証書には有効期限があり、取得した証書は原則その年度に使用した電力にしか充てることができません。
現時点ではJ-クレジットには有効期限はなく、創出されたクレジットは2031年3月31日まではJ-クレジット登録簿というシステム上で管理されます。
それ以降の取り扱いについては今後検討がされる予定となっています。

  • 価格が高価

非化石証書は11月に価格が改定され、最低価格が0.3円/kWhとなっています。
対してJ-クレジットは約1円/kWhとなっており、
例えば年間100万kWhの電気に充てた場合、それぞれで70万円の差が出てしまう形となります。

実際の活用例

ここでは、実際の活用例について、創出側と使用側について見ていきます。

<創出側>
・株式会社ファイブエイトゴルフクラブ

ゴルフ場の整備の際に出る間伐材をエネルギーに変換できるバイオマスボイラーを導入しました。
これによりコストを削減できただけでなく、エネルギー使用によるCO2排出量を抑えることも実現しています。
また、空調を人感センサー付きエアコンに替えて消費電力を抑えることにより、
146t-CO2/年分のクレジットの創出を実現しています。※3

<使用側>
・ダイコク化成株式会社

自社で製作しているフルーツキャップの製造・輸送や、広報誌の使用に係るCO2排出量のオフセットのためにクレジットを使用しています。
ダイコク化成株式会社の親会社である大黒興業株式会社は、環境対応商品の普及を目指しています。
その達成のため、自社努力で削減し切れない分についてJ-クレジットを用いてオフセットを行っているという形となります。※4

まとめ

非化石証書の需要家による購入が解禁される前は、J-クレジットは需要家が直接購入できる証書の中では最も安価で手に入るものでした。
少量からでも調達することができるため、特に中小企業に広く活用されていました。

非化石証書の価格が下がった現在、J-クレジットの需要は下がってしまうと思われますが、
どんな企業でもクレジットの創出ができるJ-クレジットは企業のアピールのために必要な制度になります。

弊社ホールエナジーでは、こういった方法以外にもエネルギー面で再エネの導入や、
CO2排出量の削減のお手伝いを行っております。
自社のCO2排出量を削減したい!環境に対する取り組みを行いたい!と思ったらぜひお気軽にお問い合わせください。

コラム参考資料
※1:ついに需要家も解禁!FIT非化石証書の購入について 2021年11月29日 株式会社ホールエナジー
※2:J-クレジット制度について 2021年10月 J-クレジット制度事務局
※3:ゴルフ場がバイオマスボイラーと高効率エアコンの導入でCO2を年間約146t削減 J-クレジット制度
※4:ダイコク化成株式会社 フルーツキャップによるカーボンオフセットを通じた環境保全活動 2017年1月26日 カーボン・オフセット フォーラム