再生可能エネルギーの発電割合|エネルギー別の特長も解説

2023.12.06
ESGカーボンニュートラル再生可能エネルギー

日本を含む世界各国で、再生可能エネルギーの発電割合の増加を目標としており、様々な自然エネルギーの効果的な活用を目指しています。

本記事では、再生可能エネルギーとは何か、日本や世界における再生可能エネルギーの発電割合などをご紹介していきます。 日本における再生可能エネルギーの普及状況や、世界各国の現状を把握したい方はぜひご一読ください。

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再生可能エネルギーとは

再生可能エネルギーは、化石エネルギーと異なり、自然界に存在する持続なエネルギーのことを指します。
太陽光、風力、水力などが含まれ、地球温暖化の大きな原因でもある二酸化炭素を排出しないことが特徴です。

日本の「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」では、再生可能エネルギー源を具体的に定義しています。
これによれば、太陽光、風力、地熱、太陽熱、水力、バイオマスなどの自然エネルギー源が含まれます。

この法律は、エネルギー供給事業者に対し、これら再生可能エネルギー源の積極的な利用を促し、環境への負荷を軽減することで、持続可能なエネルギー体制の構築を目指しています。

e-Gov法令検索「エネルギー供給事業者によるエネルギー源の環境適合利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律

太陽光発電

太陽光発電は、太陽からの光を太陽電池で電力に変換する方法です。
光電変換により発電し、二酸化炭素の排出が少ないため環境にも優しく、エネルギーの安定供給が可能です。
また、太陽光は広い範囲で利用可能な天然の資源であり、地球規模でのエネルギー転換に寄与しています。

風力発電

風力発電は風を利用して風車や風力タービンを回し、発電機を動かす再生可能エネルギーです。風の力を電力に変換することで、持続可能かつクリーンなエネルギーを得ることができます。

特長は、豊富にある風という自然のエネルギーを活用できる点で、二酸化炭素の排出が少なく、地球温暖化の緩和にもつながります。
風が強く吹く地域では、風のエネルギーを効果的に利用することができる発電方法です。

バイオマス発電

バイオマス発電は、有機物(植物や動物由来)を燃焼または発酵させることで発生するエネルギーを活用した、再生可能エネルギーです。廃棄物や農産物残渣を利用し、発電プロセスでは二酸化炭素の排出を抑制することが可能です。

再生可能な資源を有効活用できる点が特徴であり、バイオマス発電は循環型のエネルギーシステムの構築において、重要な役割を担っています。

水力発電

水力発電は、流水やダムなどの水の力を利用して発電する再生可能エネルギーです。水車やタービンを回すことで発電機を動かし、クリーンかつ安定した電力を生み出します。

特長として、豊富な水源を利用することで二酸化炭素の排出が少なく、可変性の少ない安定した発電が可能です。
水力発電は地球環境への負荷が低く、長期間に渡り利用できる信頼性が高いエネルギー源です。

 地熱発電

地熱発電は地球内部の熱エネルギーを利用し、蒸気や熱水を使って発電する再生可能エネルギーです。地中の熱源を活用し、地熱井や地熱発電所で発電機を動かすことで電力を生み出します。

特長として、地球内部の安定した熱源を利用していることや、二酸化炭素の排出が少ないことがあげられます。地熱は24時間365日利用可能であり、エネルギー供給の安定性や環境への負荷が低い点から重要な発電方法の一つと言えます。

日本における再生可能エネルギーの発電割合

日本における再生可能エネルギーの発電割合は、近年増加しており、2020年度の再エネ比率は19.8%です。

特に太陽光発電は急速に普及し、発電量の大部分を占めています。太陽光は屋根や太陽光発電施設などで広く利用され、再生可能エネルギーの象徴となっています。
また、水力発電は長い歴史があることや、安定した発電が期待できることもあり、太陽光に次ぐ発電割合を占めています。

風力発電も全国各地に設備が建設されていたり、バイオマス発電は木質バイオマスやバイオガスの利用が進んでいたりすることもあり、再生可能エネルギーの一翼を担っています。地熱発電も活発に導入が進んでおり、温泉地域を中心に地熱発電所が運用されています。

これらの再生可能エネルギー源を含めた日本の再生可能エネルギー発電量は増加傾向にあり、政府の政策支援や固定価格買取制度の導入などがその成長を後押ししています。
ただし、まだ化石燃料に頼る一面もあり、今後の課題と言えるでしょう。

日本で再生可能エネルギーの発電割合が増えた理由

日本で再生可能エネルギーの発電割合が増えた主な理由は、2009年に導入された「固定価格買取制度」です。

この制度では、太陽光、風力、地熱、バイオマスなどの再生可能エネルギー事業者に対し、一定期間にわたり固定価格で発電した電力を買い取る仕組みが整備されました。
これにより、事業者は投資回収が見込むことができるため、再生可能エネルギーの導入が促進されました。

固定価格買取制度は、再生可能エネルギーの導入コストが高いという課題をサポートし、事業者に安定的な収益を提供することで、多くの企業や個人が再生可能エネルギー発電に参入する後押しとなりました。
この制度の導入により、日本は再生可能エネルギーの導入拡大を進め、持続可能なエネルギー体制の構築を目指しています。

世界各国の再生可能エネルギーの発電割合

世界各国での再生可能エネルギーの発電割合は多様であり、国によって異なります。

ヨーロッパの国々では再生可能エネルギーの導入が進んでいる国も多く、ドイツ、イギリス、スペイン、イタリアでは、2020年度の再エネ比率が40%を超えています。日本が約20%程度であることを考えると、その差は歴然です。

太陽光、風力、水力発電が主な再生可能エネルギー源であり、ドイツでは太陽光と風力発電が再生可能エネルギーの大半を占めています。

また、途上国でも再生可能エネルギーの導入が進んでおり、特に太陽光発電は急速に普及しています。一方で、一部の国ではまだ化石燃料が主力であり、再生可能エネルギーの占める割合は低い状況が続いている現状もあります。

この現状を踏まえ国際的な取り組みも進んでおり、パリ協定などの合意に基づき、再生可能エネルギーの拡大が促進されています。世界的には再生可能エネルギーがエネルギーミックスの一翼を担うことで、気候変動対策やエネルギーの安定供給につなげていこうという考え方が広まっています。

主要国の発電電力量に占める再エネ比率の比較
出典:資源エネルギー庁
再エネ | 日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問

日本におけるエネルギー政策の動向

日本のエネルギー政策は、下記の3E+Sの基本方針に基づき行われています。

  • Energy security(エネルギー安全保障)では多様なエネルギー源の確保
  • Economic efficiency(経済的効率)では効率的なエネルギー利用と産業競争力向上
  • Environmental sustainability(環境の持続可能性)では再生可能エネルギーの導入と環境への負荷低減
  • Safety(安全)では原子力安全対策を目指します。


これらの頭文字をとって3E+Sと呼ばれており、これらを統合することで持続可能かつ安全なエネルギー体制の構築を推進しています。

また、2030年度の電力構成において、資源エネルギー庁は再生可能エネルギーの割合を増やし、特に太陽光や水力発電の拡大を目指しています。
同時に、原子力の割合も増やすことで安定した電力供給を目指し、火力の割合を減らすことで環境への負荷軽減とエネルギーのクリーンな供給を推進する方針を示しています。

これらの方策は、持続可能なエネルギーミックスの構築を目指し、エネルギー供給の多様性を確保することを反映しています。

まとめ

再生可能エネルギーは、エネルギー自給率を高め温室効果ガス削減に役立つという大きなメリットを持った次世代エネルギーです。
利用促進に向けた動きは国だけでなく、経済活動において大量の電気を使う企業にも広がっています。化石燃料からの脱却は世界の潮流であり、今後ますます技術革新やイノベーションが生まれることでしょう。

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参考資料

資源エネルギー庁 2020—日本が抱えているエネルギー問題(前編)
資源エネルギー庁「再エネ | 日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問
資源エネルギー庁「2020—日本が抱えているエネルギー問題(後編)